猫ふんでも~た

ヤッキムン

第1話

私はアイドルグループ『猫ふんでも~た』のオーディションに合格して、メンバーとなっても~たにゃー。8人グループで、私は そのうちの1人だにゃー。いや、正確には、8匹グループで、私は そのうちの1匹だにゃー。コンセプトは猫で、メンバーひとりひとり、いや いっぴきいっぴき、猫耳をつけて、猫に扮しているにゃー。そういうミュージカルとは、特に関連性は全くもって、ないんだにゃー。

曲は、猫の気持ちを歌ったもので、ファンも基本的には、ライブに 猫に扮して来ることになってるにゃー。

ファンの持ってるサイリウムも、猫の手を借りて、猫の手の形をしたサイリウムだにゃー。ライブ会場では、猫の手が 8色に光ってて、凄くきれいだにゃー。

それから、ファンは 猫の手を借りて、猫の手の形をした手袋をはめることになってるにゃー。

私たちも、もちろん猫の手を借りて、猫の手の形をした手袋をはめて、ステージで歌って踊ってるにゃー。

私たちも、ファンのみんなも、全員猫好きだから、そのうち、本物の猫と一緒にライブするようになって、ステージにも客席にも、毎回ライブ会場全体に 本物の猫もいっぱいいるんだにゃー。

ミュージックビデオには 猫もいっぱい出てくるし、グループのオリジナルグッズも、猫がコンセプトだから、例えばTシャツも、猫の手を借りて、Tシャツ全体に 猫の手の跡をいっぱいつけてるにゃー。

握手会でも、猫の手を借りて、その結果、本物の猫の手と握手をするっていうふうに 変わっていってしまってもうてるにゃー。

ていうか、自分たちの手と、ファンの人たちの手と、借りてきた猫の手とが 入り乱れて握手をしているんだにゃー。

忙しすぎて、もっともっと、猫の手も借りたいくらいやから、当分、『猫ふんでも~た』の解散はしないにゃー。

「猫踏んじゃった」の曲は、いつ、どこで、誰によって作られた曲なのか、わかってないみたいですにゃ。それなのに世界中で知られてる曲で、しかも、そのタイトルは世界の国々によって、みんな違うていう、実に不思議な曲なんですにゃー。

自分の所属してるグループの『猫ふんでも~た』のライブでの登場曲も、「猫踏んじゃった」を使わせてもらってるけども。とても軽快な曲やから、めっちゃ登場して行きやすいんだにゃー。

うちら関西のグループやから、関西弁で『猫ふんでも~た』って名前で、やらせてもらってますねんにゃ。

歌詞のほうも、「猫踏んでもた猫踏んでもた...」っていうふうに関西弁になってるにゃ。

ライブの最初と最後にやる、『猫踏んでもた』の曲は、ファンのみんなに、とっても人気ある曲となってるにゃ。

うちは服飾の専門学校出身で、学校時代、猫祭りのファッションコンテストでデザイン画を通過して、実物を製作し、猫祭りに参加したにゃ。自分で作った猫の衣裳を着て、猫祭り会場を練り歩いたにゃ。

今も衣裳は、うちらを中心に作っているにゃ。

自分で歌っていながら、猫を踏むことないやろ~って、ずっと思ってたら、太陽の塔の近くの万博記念公園で野外ライブやった時、ライブ中、ほんまに猫を踏んでもうて、猫はびっくりして飛び上がって、自分は猫にひっかかれて、ああ、猫踏んでまうこともあるんやなあと思いましたにゃ。

自分はうちでは猫を飼ってはいないけども、猫を飼ってる人やったら、猫踏んでまうことって、よくあるのかもなあて思ったにゃん。

そういえば、小学生の頃、「猫のフン踏んじゃったー♪猫のフン踏んじゃったー♪」って歌ってたら、お母さんに「猫のフン踏んだからって、 なんなんっ?」て言われたの想い出してもたにゃん。

『猫ふんでもた』っていう服と雑貨のお店もオープンしたにゃ。猫で、あふれてる。猫好きさんは、ぜひ来てみてほしいにゃん。色んなの、あるにゃん。

『吾輩は猫ふんでもた』っていう小説もかいたにゃん。どんなストーリーかは、あえて言わないから、読んでみてほしいにゃ。まあ、猫が......。

もうすぐ、ファーストアルバムの『猫ふんでもた』リリースするにゃん。猫のコンセプトアルバムになってて、『猫ふんでもた』に始まって、『猫ふんでもた』でおわる、とっても楽しめるアルバムになってるにゃ。ぜひ聴いてみてくださいにゃん。

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