6.それはHSS型HSPじゃないのかい?

 翌日の放課後、私は山根先生のところに行ったの。ダンス部をやめますって言いに行ったのよ。そしたら、山根先生は親戚に不幸があって今日は学校を休んでるって。


 仕方がないので、副顧問の安城あんじょう先生のところに行ったの。安城先生はダンス部の中で唯一の男性。


 安城先生は私を誰もいない教室に連れていってくれた。私は安城先生にすべてお話したの・・亜美のこと・・香織と優希のこと・・ダンス部のこと・・山根先生に叱られたこと・・何だか生きづらいこと・・生きてることも嫌になったこと・・


 安城先生は黙って私の話を聞いてくれたわ。そして、私の話が終わると、私にこう言ったのよ。


 「望月。それはHSS型HSPじゃないのか?」


 えっ


 私は聞き返したの。


 「え、えいち?」


 安城先生の声がしたわ。


 「HSPとは Highly Sensitive Person のことで、人一倍繊細で敏感な人のことだよ。HSSとは、High Sensation Seeking のことでね、活動的で刺激を追い求める気質を持つ人のことだよ。HSPとHSSは正反対のように見えるけど、実はこの両方の気質を持った人がいるんだ。望月のようにね」


 「・・・」


 「そういう気質の人たちをHSS型HSPというんだ。別名で『繊細さん』っていうこともあるよ。それでね、HSS型HSPの人、『繊細さん』はね、望月のようにいつも何か生きづらさを感じながら生活してるんだ」


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る