田原総一朗、人間世界へ帰る

 会議が終わり、カラスムギの口臭さん宅に帰ってきた。

「あ、田原さん!!!!お帰りなさい!!!!」

口臭さんは、なぜか泣きながらやってきた。

「無事に帰ってこられてよかったです。会談が終わったと、『ティーテレ』で見ました。周りの明かりがついたのにすごく感激しました。街灯ってこんなに綺麗だったんだなって」

娘さんが言う。そのことは、僕が終戦し、海軍の夢が消えたと言って、後悔していた時に励まされた景色と一緒だ。


 その日は、宮殿でのpartyだった。


「あなた、良く帰ってきたねぇ」

「ああ、ありがとう・・・・・会えてよかった」

「お父さん!!お帰り!!!!」

「カナミ!!!!ただいま!!!!もう帰ってこれないかと思ったよ!!!!」

あちこちから、再開の声が聞こえる。戦争が終わったってこういうことなのだと改めて思った。でも――


「おとうさーん!!!!」

「あなた、何で死んじゃったんだい・・・・・うわぁぁぁ!!!!」

「我が息子よ・・・・・私より先に旅立つなんて、そんな・・・・・ダメでしょう・・・・・」

帰ってくることができない人もたくさんいるのだ・・・・・。


 何日か、異世界にとどまった。半分は楽しみで、もう半分は毎回仕事だった。どうやって、講和させたのか、戦争体験を聞かせてほしい、ドキュメンタリーに出てくれなどと言われたが、ほとんどを断った。


その異世界生活も、もう終わりを迎えようとしている。

「口臭さん、今までお世話になりました」

「え?」

「え??」

「私ね、田原さんと一緒に人間世界で暮らしますよ」

「えー!!!!!!」

息子さん、娘さんは驚いている。

「一緒に、全世界を平和にしましょう!!!!」

「え・・・・・ええ!!!!」

心強かった。でも、毎日臭い人を横に置かなければいけないと思うと・・・・・。


「田原君、ありがとう。我も、これから世界を絶対平和に変えていく。応援しているよ、だから、応援してくれ。これは、あなたへの土産だ」

写真だ。パーティーの日の集合写真だ。

「あ・・・・・ありがとうございます!!!!」


それから、様々な人と話した。だが、それも終わりだ。

「それでは、みなさんまた!!さようなら!!!!」

「さようなら!!!!」

横では、口臭さんが呪文を唱えている。そして、口臭を浴びたが、臭いはしなかった。

地上に着くと、僕と口臭さんは誓い合った。

「世界を平和にして見せる」

と――

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田原総一朗、異世界で戦いを止めようとする DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555

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