田原総一朗、異世界で戦いを止めようとする

DITinoue(上楽竜文)

田原総一朗、口臭さんから依頼が来る

 田原総一朗はいつも通り討論番組のスタジオに向かっている。

僕は、この前この道でとんでもないことに出くわした。勘違いで超能力を授かってしまって、そのおっさんは通称、「口臭さん」だ。そして、いろんな人が僕のせいで倒れて行って、大変だったが、それも解決し、テレビに戻った。


ゆっくりとした歩調でテレビ局に向かっている。今頃、口臭さんとあの少年・・・・・俵原颯一郎君はどうしているんだろう。俵原颯一郎君は結局転生することにしたらしい。元気にしているかな。口臭さんによると異世界では戦争が起こっているらしい。巻き込まれていなかったらいいが・・・・・。


「お久しぶりです、田原さん」

「え?あなたは・・・・・?」

急に、中年男性が電柱から出てきた。

「誰ですか?」

「覚えてないんですか?!残念です」

「覚えてないってどこかで会いましたっけ?」

「これなら思い出すでしょう」

そう言って、中年男性は・・・・・ハァーーー!!

口から息を出した。

プーンプーン

「く、臭いですな」

その瞬間、感じた。

「あ、あなたは・・・・・口臭さんではないですか!!!!」

「その通りです」


感動の再会のようなもんだ。僕は鼻に洗濯ばさみを付けて彼と抱き合った。

「早速なんですが、田原さんにお願いがあります」

「もう、超能力はごめんですよ」

「そうではありません。前、異世界で戦争が起こっていると言いましたよね」

「はい」

嫌な予感・・・・・。

「田原さんは、戦争を生き抜いたそうですね。戦争をだれよりも嫌っている人の一人だと思います」

「その通りです。戦争は起こしてはならない!」

「異世界で戦争を起こっているので・・・・・お願いです!!!!私の祖国の戦争を止めてください!!!!!!」

はぁ~~~~~??????


 しばらく考えた。でも、戦争というのはやはり悲惨なものだ。人は「正しい戦争」「平和のための戦争」「正義の戦争」などということがある。だが、善悪は無い。どちらにしろ、人間が犠牲になっているのだから。政治家同士の争いに庶民を巻き込むのはだめだ。それで、僕は決心した。


異世界へ行く。有権者を説得して、戦争を終わらせる――


その意向を、口臭さんに伝えた。

「ありがとうございます!!!!!!!それでは、明日、この時間帯に来ます!!!!テレビ局には問い合わせておいてください。準備は済ませといてくださいよ?!」

急に敬語になったな。

「分かった」

田原総一朗は、自分の身を危うい立場に置いてまで、戦争を止めることにしたのだ。

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