目覚めたら、、、

健さん

第1話

ふっと、目が覚めた。おや?ここはどこだろう?ホテル??ロビーじゃないか。何で、俺が、こんなところにいるの?しかも日本じゃないじゃん。何か書いてあるぞ。”マニラシーサイドホテル”?なぬ?ここは、ひょっとして、フィリピンかい?確か俺は今日仕事が休みだから深酒して、2時ごろ眠くなって、ベットに入って寝たはずだが、、?おかしいな?夢かいな?頬をつねってみた。(痛え!)夢じゃない。今何時だ?14時か。道理で腹が減ってるわけだ。何か食べるといっても金持ってきたかな?ん?ポケットから、千円札だ。とにかく両替しないと。ここでは、ただの紙切れだからな。俺はホテルを出た。しかし、色々な人種がいるものだな。ヨーロッパ系の顔もいれば、インド系の顔も。アジア系も。日本人かな?中国かな?人、人、人でまっすぐ歩けないぞ。けたたましいな。これほどまでにクラクション鳴らさなくてもよかろうに。”プープープー”(早く行け)”プープープー”(前の車が、のろまだから、しょうがないだろう)ってな具合だ。ん?あれは何?ジープを改造したバスとでもいうのか。(ジープニーという。)戦後アメリカが、残した”置き土産”だ。しかも、どれも煌びやかだ。一種の芸術作品だな。排気ガスが、臭くてやかましい道路を、歩いて、やっと見つけた。”マネーチェンジャー”両替屋だ。1ペソ2.5円か。ということは、千円なら、400ペソか。いまパン屋の前歩いてたら、メロンパンが、1ペソだった。パンが2.5円。日本なら、100円位だから、フィリピンは、物価が安いのだろう。早速店の中へ。何だかな、昔の国鉄の切符売り場みたいだな。透明のポリカーボネート板?で仕切りになっていて、丸くなってる部分に千枚通しで穴を開けたようなところから話をするようになっていて、しかも鉄格子で、”防衛”している。泥棒よけか?向こうにいる店員は、40代位のオバハンだ。「マネーチェンジいいですか?」「OK。」俺は、千円札を出した。そのおばちゃんは、ゴキブリでも見るような顔で、「これだけ?」「そうよ。これしかないんだもの。」そして、”400ペソ”両替。サンキュー!俺は店の外に出て、また、けたたましい憤激するような道路をしばらく歩いた。何気なく両替した金を数えた。んん?310ペソじゃん。あのおばはん、100ペソと10ペソすり替えたな。すぐ店に戻り、中に入ると、ん、ん?あのオバハンは?30代くらいの男が座っていた。「今いた女の人は?」「もう帰ったよ。」クソ!やられた。そういえば、日本人は、ちゃんと数えないものな。そうゆう心理をわかっての犯行だ。しかしせこいのおう。俺は、あきらめて、宿泊予約のない、マニラシーサイドホテルへ。とりあえず、このホテルのロビーでもいるしかないな。フィリピンのマニラに友達いないし。っていうかちょっとした知り合いもいないし。ちょっと、もようしてきたので、ちと、小用に。用便終えると、あれ?いつのまに?いたの?ボーイさん。なぜに、洗面所の前にいるの?俺は無視して、手を洗って出ようとしたら、そのボーイが、タオルを出してくれた。おー!さすが、高級ホテルやのう。サービスいいやんけ。すると、そのボーイは、すかさず手のひらを俺の顔の前に。何やねん?「チップ」ふざけるな!「ケチ」何とでも言え!310ペソしかないのにチップなんて払えるわけなかろう。俺は手のひらを潜り抜けてトイレから出た。あれ?レストランがある。何か食うか。空いてる席についた。(らっしゃいませ~。)おっ!日本語うまいじゃん。しかも可愛い。女優の内田有紀クリソツだあ~。「メニューある?」「どうぞ。」「決まったら呼ぶから。」どれどれ。コカ・コーラ150ペソ?高いのお。サンドイッチ200ペソ?スッパゲッチィー300ペソ?どれも高いやんけ。一番安いのは?ミネラルウォーター100ペソ。水が250円ぼったくりだ。「すいません、ミネラルウオーター1つ。」すぐさま持って来た。バツが悪いので、言った。「財布盗まれてノーマネーなの。」(うそも方便)すると、このおねえちゃん、「私、クリスチィーナといいます。あなた、このホテルに泊まってるのですか?」「いや~実は目が覚めたら、このホテルのロビーだったんだよ。」「あなた頭大丈夫ですか?」だって、本当なんだもの。「おねえさん、日本語うまいね。」「はい、わたし、3年前に名古屋のフィリピンパブで働いてました。」「へえ~そうなんだ。」「あなた財布盗られて、ポリス行ったの?」「行ってない。」(だって嘘だもの)「今夜どこに泊るの?」「今考え中。」「もし泊るところないなら、私の家来ませんか?大家族だけど。」え~!本当!すごく助かります。そして、俺は、ジープニーに乗って彼女の家に行くことに。ここは、パサイ市だ。マニラのホテル街とは、大違いだな。フィリピンの”裏”の顔か。絶対ガイドブックには載らない街並みだ。道路も舗装されてないし、ほとんどの家の造りが、トタンで吹けば壊れそうだ。まるで、ドリフのコントみたい。大きな台風でもあるなら、吹っ飛んでしまいそうな。しかも、これでもかと、大きな音量が。ウルサーイ!この人達耳がないのか?ひょっとして耳に穴が開いてない?目的地に着くまでフィリピンの道路は、一苦労だな。何だらかんだらで、やっと彼女の家に到着。「ここです。」お~!スゲーじゃん。マンションやんけ。「クリスチィーナの家、金持ち?」「少しね。」「あなたのダンナ何の仕事してるの?」「旦那さんはいないです。私、シングルです。お兄さんが稼ぎ柱なの。他に家族は、妹と、お兄さんの奥さん、そして子供2人。そして、お父さん、お母さん、と、グランドマザー。9人家族よ。」「大家族やね。」「フィリピンは、みんなそうよ。9人じゃ少ないほうよ。」「お兄さんどうゆう仕事してるの?」「マカチィーという街でレストラン経営してるの。」そして、部屋の中に。人で一杯だわ。(んん、1,2、6、、)「15人?位いるけど。」「親戚の人や近所の子もいるのよ。」そして、1人ずつ紹介されたが、さっぱりわからん。やがて、夜になり、お兄さんの店に。すると、「初めまして、わたし、クリスチィーナの兄でリチャードと言います。妹から聞いたよ。財布盗まれたんだって?」「そうなんです。」(うそだけど。)「とりあえず、ごちそうするから、食べたあと、ゆっくり今後のこと考えよう。」「ありがとうございます。」そして、次から次へと料理が運ばれてきた。今日は、俺のために貸し切りだ。初めて食べるフィリピン料理。「クリスチィーナこのスープずいぶんと酸っぱいな。」「このスープはシニガンというの。フィリピンでは、毎日食べるわ。日本で言えば、さしずめ、味噌汁ね。」「さしずめ?こんな言葉よく知ってるな 。」他に肉や魚食べたが、どうもフィリピン料理は、メリハリのない味で、あまりおいしくない。「クリスチィーナ生野菜ないの?」「フィリピン人は、生野菜は食べないの。煮て食べるの。」「へえ~変なの。」そして、食べ終えたのを見計らってリチャードが来た。「どう?おいしかったかい?フィリピン料理口に合ったかな?」「いやあ、すごくおいしかったです!」(うそぴょ~ん)「本当に何てお礼を言ったらいいか、金もないのに、こんなにごちそうになっちゃて。」「気にしないでよ。それより、パスポートあるの?」「いやあ、財布と一緒に盗られました。」(うそだけど。)「ならば、俺の友達にパスポート偽造で作る仕事をしてるのがいるが、頼んでやろうか?パスポートなければ、日本に帰れないでしょう?」「え!偽造ですか?それって、バレないんですか?」「聞いたことないな。大丈夫だよ。」(ほんまかいな)「それっていくらですか?」「4万ペソ。」(日本円に換算すると、10万円か。高いのか、安いのかわからんが、それで日本に帰れれば安いかも)「じゃあ、お願いします。帰国したら、必ず代金お支払いしますので。」リチャードは、煙草に火をつけて言った。「お金はいいよ。その代わりといっちゃあなんだが、妹のクリスチィーナと、結婚してくれないか。」「ええ~!マジっすか?今日出会ったばかりなのに。ぼ、僕はいいですよ。でも付き合わなくていいのかな?」「妹は、永年の夢で、日本に永住したいらしいんだ。また、あなたのこと、タイプらしいから。なあ、クリスチィーナ。」「お兄さんやめてよ、はずかしいわ。」「じゃあ、結婚してくれるね。」「もちろん。オフコース!」「それじゃあ、明日、早速その友人のところに行こう。写真撮らなきゃならないし。」ってことで、次の日、リチャードと、その友人の所へ行った。この人の名はジャッキー。すごく手慣れた感じで、ものの、30分で、パスポートが完成した。早速、クリスチィーナと、フィリピン航空の事務所に行ってチケットを買いに行った。この金もリチャードが出してくれた。何から何まで、おんぶにだっこだな。しかも”お嫁さん”も、もらっちゃった。そして、出発の日。「ねえ、あなた、必ず迎えに来てね。首を長くして待ってるから。それと、これをプレゼント。」「水晶のブレスレットだ。ありがとう。」俺は左腕に、はめてみた。「素敵、似合ってるわよ。」「今度来るときお返しにネックレスでも買ってくるね。」そして、タクシーは、ニノイアキノマニラ空港に到着。しかし、生きた心地しないぜ。ほんとうに、偽造パスポートばれないだろうな。心臓バクバクしてきた。しかし、鳥越苦労だった。難なくゲートを潜り抜けた。クリスチィーナは、いつまでも、手を振っている。無事空港内へ。そして、1時間経ち飛行機内へ。無事に指定された席に座った。(あー、よかった。)安心したのか、俺は急に眠くなり深い眠りに入った。どのくらい寝たのだろう?ん?ん?、、ここは、どこ?機内じゃない。いつのまにベットの上に。俺の部屋じゃん。何だ?今までのこと夢だったのか?おかしいな、頬つねったら痛かったけど、、。でも、左腕見ると、クリスチィーナからもらった水晶のブレスレットが。俺は、急に喉が渇き、冷蔵庫から、ミネラルウォーターを取り出して、一気に飲み干した。 

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