第11話

席替えをして私は最悪な席になってしまった。

私は3号車の前から2列目だった。

地域よって席の位置の言い方が違うと思うが、私の地域では廊下側は1号車、真ん中は2号車、窓側は3号車と呼んでいた。

友達は、2号車の前から1列目ですごく席が近かった。

友達は身長が大きかったため後ろの席の子が黒板が見えずらいと言われたため男子と場所を交換して私と通路を挟んで斜め前にいた。

席が近かったので嬉しかったが、私の斜め左にはA君がいた。

給食を食べる時や班で話し合いするときはA君と同じだったのですごくやだった。

席替えをしたばかりなのにすぐに席替えがしたかった。

私は、なるべく話さないように静かにいた。

そんな時、A君に話しかけられた。


「お前、あいつと仲良いんだね。

あいつと仲良くしない方がいいよ。

頭おかしいから。」


笑いながらそんなことを言ってきた。

友達をなんで悪く言われないといけないんだと私はすごく腹が立った。


「なんでそんなこと言うの?

付き合ってたんじゃないの?

友達を悪く言われるのは嫌なんだけど。」


私は、間違ったことは言ってない。

でも、言い返してしまった以上これからいじめられてしまうと思った。

いじめられても私は何も怖くなかった。

今までたくさんいじめられてきて慣れてしまっていたから。

A君はその後意味のわからないことを言ってきた。


「じゃあ、また小学生の時みたいにお前もいじめてやるよ。

仲良くしないならいじめないけどね。」


何を言っているのかよくわからなかった。


「意味わかんない。

子供みたいなこと言うのやめなよ。

バカじゃん。」


余計なことまで言ってしまった。

相手を煽るような言い方をしてしまって後から後悔した。

もう少し、大人な対応をしていればよかったものの、私もついイライラしてしまってあんな言い方をしてしまった。


その日の国語の授業に班になって意見を言い合う時間があった。

その時間はすごく辛かった。

他の男の子はA君が怖いからと私のことを一緒になっていじめてきた。

隣の席の男の子が1番腹がたった。

私は、勉強が元々苦手で頭が悪かったので頭が悪いことをすごく馬鹿にしてきた。

皆んなが聴こえるような声で悪口を言ってきた。

泣きそうだったが授業中に泣くのは恥ずかしかったので我慢した。


休み時間になり、友達が私のところに来た


「大丈夫?

辛くない?

私のせいでごめんね。」


そんなに謝らないで欲しかった。

私は、いいことをしようと思っていたわけではないから。

ただ一緒にいて楽しいからそうしただけだった。


「全然大丈夫だよ。

こんなの慣れてるから。

それより、そっちも大丈夫?」


こんな会話をして休み時間はお互いを慰め合っていた。

そして、次の授業が始まった。

英語の時間だ。

私は、英語がどの教科よりも苦手だった。

それに、英語は隣の席の人と喋る時間が毎回あった。

いつもだったら、わかないところを優しく教えてくれたが今日は馬鹿にされてしまうだろなと始まる前から憂鬱だった。


授業が始まった。

何か嫌なことをしてくるだろうなと思ったが何もしてこなかった。

でも、嫌な予感がしていた。

A君は何故か1人で笑っていた。

よく見るとA君は私をいじめるのではなく、友達をいじめていた。

席も離れているし、授業中なのに先生が黒板に書くときのタイミングで友達に何かをしていた。

何をしているのかはわからなかった。

だけど、友達が今にも泣きそうな顔をしていたのはわかった。

横顔がすごく真っ赤だったから。

A君はクスクスと笑っていた。

その顔がすごく不気味で嫌だった。

その瞬間、友達が自分の机を蹴った。


「マジでうざいんだよ。」


友達はみんなに聴こえるような声で言った。

そんなに声は大きくなかったが授業中だったので教室が静かで声が響いた。

先生はびっくりして友達の顔を見た。


「どうした。

授業中だぞ。

何があった?」


A君はクスクス笑っていた。

なんて嫌な男なんだろ。

私はすごく腹が立った。

友達はなんでもないと言ってそのまま授業が再開した。


それから友達は先生に普通に暴言を吐いたり、学校をサボったり荒れに荒れてしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る