焼き鳥といえば

武藤勇城

本編

色々な味がありますよね(?)

小学校の高学年から中学校にかけての思い出

友達三人と放課後に自転車で向かった先とは

老婆が独りで営んでいる小さな焼き鳥屋さん

お年玉を皮算用して「今日は何本食べよう」

「三本だね」「いや五本いける」話しながら

県道を過ぎた砂利道裏の焼き鳥屋を目指した

焼立てをまつのが肝心店先のメニュー眺めて

何々を一つ!と小さな手に小銭を握りしめる

一本は安く50円~でも積羽沈舟持ち金不足

「もう金ねえよ」「奢ってよ~先輩~」常に

金欠でほぼ月に一回程度の豪遊を柔軟に行う

外で働けん子供は僅かなお金を稼ぐのも骨だ

他界したじいちゃんの墓前に線香をあげると

お小遣あり又その小銭持って焼き鳥屋に通う

それが自分の小~中学校時代の思い出である


社会人になると金銭面では苦労しないのだが

子供時代に比べ時間的に遊びにイケナクなる

友人等も同様で数少ない飲み友達クンと二人

今日飲もうぜ!仕事帰り酒屋屋行ッタあの日

そこでハナシた内容は管鮑の交わりッて故事

焼鳥をツマミに意気揚々と酒をイッキに呷り

語ったさ「生我者父母知我者鮑子也ー」と…

友人まさか故事知らないと思わずフイに怒り

出し掴み合いの大喧嘩そのままサラバと別離

故事改変し難しく話した自分が悪イが彼なら

理解してくれると…それはもうドウデモイイ

言葉の行き違いでお互いのカンチガイだった

「…終わりにしよう」ジュワキをそっと置く

昔親友をなくしたシュンカンの思い出である

皆様の思い出の味や好きな味はありますか?

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焼き鳥といえば 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro

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