みな神

 何もかも嫌になって身投げしようとした。

 川に思いっきり飛び込み、激流の中、やはり死ぬのは怖いと思いながら、いっそ死ね、

と感じる。

 疲れたんだ、人生に。その時「つかまれ」という声がした。私はつかんだ、枝を。生還した。

 未来の私は神になっていた。あの時の声は私自身だったのだ。どこで拾われるか分からない命。

 神道においては、過去生、未来生は神なのだ。

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短編小説集。ショートショート 原氷 @ryouyin

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