2014年11月4週④

「ねえ、あやち。今日はさ、いつもと逆の香水付けようよ。」

「え?」

「いつもわたしがつけてるやつを、あやちにつけてあげる。」

「ん-。」

「わたしからあやちの香りがする方が、エッチじゃない?」

「ええ。エッチかな?」

「エッチじゃない?」

「分かんないけど。ちーちゃんがやりたいならそうしよっか。」

「……。じゃあ、まずあやちにつけてあげるね。」


「どう?いつもわたしがつけてる香水付けてる気分は。」

「ん-。それよりも、前からいつもあやちがつけてる香水の香りが届くのが違和感。」

「たしかに。……。でもわたしは結構テンションあがってるよ ?」

「え、なんで?」

「えーだって。あやちがわたしにまとわりついてるみたいで、エッチだから?」

「まとわりついてるって表現イヤ。」

「じゃあ何と。」

「…………。『纏ってる』とか。」

「そんな変わんなくない?」

「あやち的には変わるの。」

「じゃあ、それでいいや。」


恋人の家のシャンプー使ったみたいな雰囲気だと思ったんだけどなー。

お泊りしてたみたいな。

いい歳して男女がお泊りしてたら、もうそういうことじゃん。

って感じの、エッチな感覚だったんだけどなー。

微妙に伝わらなかったらしい。


「うわっ!」

「もー!ちーちゃん!何物思いにふけってるの?」

「え、別に、そんな。」

「…………。マリさん?」

「っ!」

「あ、顔真っ赤。…………。マリさんのこと思い出してたんだ。」

「ちがう。今は思ってない。」

「『今は』?」

「…………。すいません。」

「えー。もっと否定してくれないの?」

「あー。いやー。…………。」

「ごめんちーちゃん。やっぱ気になる。マリさんって誰?」

「…………。話さなきゃダメ?」

「フフーン。ダメ。」

「…………。話すと長くなるよ?」

「それもだめ。あやち、ちーちゃんを上書きしたくてうずうずしてるから、手短にね。」

「いやー、長くなるから、今度でもいいんじゃないかなー。」

「今じゃないとだめ!だって、上書き、できない。」

「…………。あの、びっくりしないでね。」

「うん。」

「女性用風俗の人。」

「……。え?」

「よし。話し終わった!じゃああやち、続きしよっ!」

「え、な、え、ちょ。は?」

「ちゅっ。」

「んふっ。……。んぱっ。ダメ!今日はあやちが してあげる日なの!おとなしくしてて!」

「ふーん。楽しみっ。」




「ちーちゃんって、いつもどんなふうに一人でしてるの?」

「え、一人でって。」

「してるよね?」

「…………。してます。」

「じゃあどんなふうにしてるの?」

「えっと、乳首を左手で触りながら、……、右手であそこを、いじって。」

「聞いてるだけじゃ分かんない。やってみて。」

「え、今?」

「うん、今。わたしの目の前で。見せつけるように。」

「えっと。恥ずかしいんだけど。」

「でも、ちーちゃんはどういうのが好きなのか見てみないと。分かんないもん。」

「え、……。えっと。見ないでね。」

「いや、見ないと分かんないじゃん。」

「えっと、そうじゃなくて。えっと。……。じっとは見ないでね。」

「……。じっと見るよ?」

「あの、えっと。どうしたら許してくれるの?」

「……。じゃあ、指の動きから、感じ方まで一言一句言葉にできる?」

「…………。…………。見ててください。」

「うん。」


とんでもない羞恥プレイが。

マリさんの見てる前でもやったけど。

あやちの前でやるのは余計に恥ずかしい。

…………。

…………。

やば。

目閉じよ。

あー、布団でするのは、久しぶりかも。

ん-、ちょっと、滑りが悪い。

いつもはお風呂でするから、気にしなくていいんだけど。

今日は両方の乳首を先にいじってからじゃないと。

……。

濡れてこないから。

涎。

手に付けて。

ああ、気持ちいい。

ふわっと。

ああぁ。

ふぅ。

んああ。

ああああ。

あ、やばっ。

爪いい。

…………。

あそこもそろそろ。

悪くない。

クリトリスを。

ああぁ。

んんんっ。


「すとーっぷ!」

「うへっ!」

「ねえ、ちーちゃん、いつもそんな風なの?」

「…………。はい。」

「え、それでよくあやちにあんな風に出来たね。」

「…………。」

「焦らしのへったくれもないじゃん!」

「…………。ごめんなさい。」

「いや、謝ってもらうことじゃないんだけど。えー、ちょっと。じゃあ、焦らされるのって嫌い?」

「…………。いやじゃない。」

「え?なに?」

「嫌じゃない。」

「……。ごめん、ちーちゃん、ほんとに聞こえない。」

「いやじゃない。」

「嫌じゃないってのは、良いってことでいいの?」

「そういう感じ。」

「はあ、恥ずかしがりやだね。」

「だって!「でも可愛いよ。」……。ありがと。」

「もうちーちゃんにしてもらうのはいいや。……。えい!」

「わわっ。」

「ちーちゃん。目隠ししよっか。」

「え……。なんで?」

「その方が気持ちいいから。」

「…………。」

「あとね、手縛ろっか。」

「なn「その方が気持ちいいから! 」……。はい。」


普通に我を失ってた。

止めてくれなかったら、あとちょっとで一人でイッてた。

…………。

目隠しに、拘束。

…………。

そんなアブノーマルなこと、どこで覚えたんだろ。

え。

めっちゃそれ用のロープじゃん。

…………。

どこで買ったんだろ。

てか、縛れるの?

えー、手際よ。

…………。

どこで。

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