2014年11月1週

「おー、ペンギンじゃん。」

「そりゃいるでしょ。」

「あれ、知春ってペンギン好きじゃなかったっけ?」

「まあ、好きですけど。」

「……。おいどうしたよ。元気ねえじゃん。」

「別に。」

「なんだ?なんか欲しいのあったか?それともさっきのイルカのところにもう一回戻るか?」

「そんなんじゃ。」

「……。じゃあなんだよ。」

「何でもないって言ってるじゃん。」

「チッ。おい、次行くぞ。」

「…………。うん。」




「今日は楽しかったか?」

「まあまあ。」

「まあまあってなんだよ?デートだぞ?水族館だぞ?」

「まあまあなものは、まあまあなんだもん。」

「……。何が気に食わねえんだよ?」

「だから、別になにも。」

「朝からなんか返事が冷てえしよ。なんだよ、クソが。」

「…………。」

「おい、まさか今日何の日か知らねえってわけねえよな?」

「……。え?……。半年くらいたった?」

「お前本気で言ってんのか?」

「あれ、まだそんなにたtt「誕生日」……。え?」

「俺の誕生日なんだけど。」

「え、そんなの。聞いてない。」

「言ってないからな。でも、彼氏の誕生日なんてどっかで情報聞いて何かしら準備するもんだろ?」

「え、そんな。」

「で?なに?」

「なにって。」

「プレゼントだよ。誕生日プレゼント。あるんだろ?」

「…………。」

「おい、なんか用意してんだろ?」

「…………。ない。」

「…………。はあ。あり得ないだろ。彼氏だぞ。」

「…………。」

「知春、お前最近俺のこと舐めてんな?」

「舐めてなんか…………。」

「9月の頭、俺の連絡全部無視しやがったよな。」

「あれは、友達と旅行に行ってて。」

「だとしたら普通言うだろ?彼氏だぞ?それとも何か?言えない相手か?」

「ち、ちがうっ。」

「チッ。それはもういいわ。それより、誕生日プレゼントもらえてないことだ。」

「…………。」

「ホントはこんな風にしたくなかったんだけどな。俺だって優しく居たいけどな。知春がこんなんじゃ、いつまでも優しくなんてしてられないよな?」

「…………。」

「……。だんまりかよ。チッ。おい、付いてこい。」

「…………。どこに行くの?」

「いいからついてこい。」

「…………。」




「おい、知春、舐めてくれよ。」

「…………。」

「知春のための思って言ってるんだぜ。舐めたくないならそれでもいいけどよ。そのまま入れたら痛いぜ?」

「…………。…………。……。ちゅぷ。……。ぴちゃぴちょ。」

「……。おいおい。ホントに舐めるだけなやつあるかよ。知春遊んでんだろ?分かってるだろ?」

「…………。ちゅぷ。……。ちゅぱっ。……。…………。じゅぷぷっ。じゅっぽ。」

「……。おぉ。そうだよ。分かってんじゃねえか。気持ちいいぞ。」


…………。

……………………。

………………………………。


「ジュプッ、ジュル、ジュルル。じゅぽ。……。じゅっじゅっ。じゅびちゅ。」

「…………。」

「ジュプ、じゅぷ。んっ。ずぞっ。じゅぶ。じゅっじゅっ。」

「……。おおぉっ。歯が当たる感じ、良いぞ。さすがだな知春。」


…………。

……………………。

褒められたのに。

嬉しくもなんともない。


「よし、そろそろ良い。でそうだ。」

「…………。」

「知春は濡れてるか?」

「……。まあああ。」

「ん?どんなもんだ?ん-、もうちょっと濡らすか。ちょっと待っとけ。…………。あー、ちょっと冷たいか。まあいいか。つけるぞ。」

「……。んっ。」

「色っぽい声も出るじゃねえか。我慢しなくていいんだぜ?」

「…………。別に、我慢して、ない。」

「そんなこと言いながら、ちょっとくらい濡れてきてたんだろ?俺の舐めながら濡らしやがって。結局エロいのには勝てねえってな。な、知春。」

「…………。」

「ローションも馴染んだな。じゃあ、いれるぞ。」

「ちょっ!ゴム!」

「あ、うるせえな。いいだろ、別に。」

「ダメ!それだけはダメ!ゴム!」

「あー、もううるせえな、つければいいんだろ?つければ。ほれ。」

「え?」

「付けてほしいんだろ?だったら知春がつけてくれ。嫌なら生でやるだけだけどな。」

「…………。……。」

「おい、何手でやってんだよ。」

「え?」

「口でつけろよ。」

「…………。ん。…………。んぁ。んー。……。ん-。」

「上手じゃねえか。やっぱ知春はあそんでんな。俺たちお似合いじゃねえか。」

「…………。」

「入れるな。……。ううぅ。……。ん?…………。」

「…………。何?」

「知春、お前処女か?」

「…………。そうだけど、何?」

「おいおい、マジかよ。俺にくれたのか。そうかそうか。知春はツンデレなだけか。」

「…………。……。イタイ。」

「大丈夫だ。そのうち気持ちよくなるから。な。」

「んっ。んんんっ。…………。いっつ。……。」

「よし、全部入ったぞ。動くな?」

「え、まtt、いtt!!!ちょっと、ほん、とに、いったいから!」

「大丈夫だって。すぐ気持ちよくなるって。」

「イタイイタイ!抜いて止めて!」

「うるせえな。」

「…………。」

「んっ、そろそろ出そう。でるぞ。どこに出してほしい?」

「…………。…………。」

「うっ、でるっ。うっ!」

「…………。…………。」

「……ふう。気持ちよかった。知春はどうだ?」

「まあまあ。」

「そうか。……。知春はツンデレだからな。つまり気持ちよかったってことだな?」

「…………。」

「気持ちよすぎて声も出んか。いいよ。もう少し寝てろ。」

「キス。」

「ん?何って?聞こえん。」

「キス。……。ん、ちゅ。」

「っ!おいっ。やめろばか。」

「…………。」

「お前、俺のチ〇コ舐めた後のままだろ。そんなきたねえ口でキスしてくんな。」

「…………。」




「ふう。まさか遊んでる知春が処女だったなんてな。」

「わたし遊んでるなんて、一言も。」

「良いって。今までは恥ずかしかったかもしれんけど、これからは俺たち遊んでる者同士だ。心配するなって。」

「だから、遊んでなんて。」

「今日は泊ってくか。」

「…………。」

「まあ、知春も疲れてるしな。シャワー浴びてくるわ。」

「…………。」


なんなのこれ。

これがセックス?

ホントに?

世の中の女の人はこれを求めてるの?


キス。

キスさえしてくれないんだ。

別にしたかったわけでもないけど。

あんな人としたいわけないけど。

でも。

『そんなきたねえ口でキスしてくんな。』か。

それを舐めさせたのは、あっちなのにな。


処女あげちゃったな。

嬉しそうだったな。

そんなに嬉しいかな。

…………。

そっか。

処女失って悲しいんだもん。

向こうは嬉しいに決まってるよね。


帰って良いかな。

…………。

怒られるよね。

…………。

泊まりか。

…………。


たぶんわざとだよね。

断れなくして、ホテルにこさせたんだよね。

誕生日か。

…………。

今日誕生日なの?

…………。

財布。

…………。

あ、ほんとだ。

今日誕生日だ。


誕生日プレゼント。

『誕生日プレゼント。あるんだろ?』『あり得ないだろ。彼氏だぞ。』

こんなこと言われちゃたら、断れないよ。

…………。

財布しまっとかなきゃ。

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