05-02「おいおい、変わんねえな、ニュービーの死に様は」

 って、いきなり真横から声。

 僕は死ぬほどビビって飛び上がった。




 横にいつの間にか、真っ赤な肌の、鬼。




 僧服じみた黒と白の簡素な貫頭衣が巨体を包み、紫がかった黒い長髪がライオンのたてがみめいて髭と混ざり、そのすべてを風になびかせ、面白そうに僕を見下ろしている。




〈Lv.24 オーガ 重僧兵ヘビー・モンク 灰丸はいまる




初心者殺しニュービー・キラー悪鬼戦車ゴブリン・タンク……相変わらずねー」

 さらに、色葉がいた2階の窓に、軽やかに舞う妖精。




 〈Lv.29 妖精フェアリー 火炎導師フレイム・メイジ





「逃げるなら、もういらないな、喰わせてもらう」

 戦車の砲塔に、尾を絡みつかせる蛇人。色葉が全力で殴ってもびくともしなかった砲塔が、関節技をかけられたみたいにしなって、天を向く。




 〈Lv.27 蛇怪じゃかい 盗賊シーフ





「灰丸! 動きは縫った! 任せたぞ!」

 そして、戦車の後方から、別の誰かの声。こちらは称札タグさえ見えない。




おうッッ!」


 僕の横にいた鬼、灰丸は、それだけ言うと路地から飛び出し、戦車の前に仁王立ちとなる。


百鬼力ひゃっきりき……ッッ!」


 言葉と共に、みちみち、めりめり、音を立て、筋肉が盛り上がっていく。






「だぁぁらっしゃぁぁぁ!!!!!」






 金棒が、戦車に振り下ろされる。

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