第2話

  妹を失ってから数か月が経った、まだこんな生活には耐えられない。


  唯一の妹が死んだことを考えると、胸が痛くなります。妹を殺した人はまだ世界のどこかに生きていることを考えると、胸が痛くて息もできない。


  これはドラマの中のことだと思っていたが,実際に起こってしまった。


  両親もうしろめたさのあまり出張していたので、その間に家族は私一人になり、家族はバラバラになってしまった


  “どうして、どうして、もしあの時に戻ることができたら、きっと彼女を救おう。”


  ふと思い出した、前に倉庫で見た怪しい本を思い出した。


  “そう、あれだ”


  嘘の本かもしれないけど、でももう考えている暇はない、希望がないよりは,少しでも希望があるほうがよい。


  倉庫に入り、乱雑な本棚からあの怪しい本を見つけた。黒い表紙の真ん中に渦巻きのような刻印があって、ページをめくるとすぐに前のページをめくった。


  「黒川市の白崎山の山の中腹と麓との間には、洞窟があり、その中に泉がある。」と書かれている。


  これが手がかりか、白崎山、ええと、近くの公園にある山じゃないか、よし、いくぜ。公園に着いて、白崎山に登って、この場所にはあまり来ない、公園も人が少ないようだ。


  山の中腹まで来て、きょろきょろしているうちに、あの本が指し示している洞窟が見えてきた。洞窟の場所は隠れていて雑草が生えていてただ者は入らないでしょう。


  まっ暗な洞窟の中へはいって、二十メートルもすすむと、異様な光が、泉の水から出ているのです。泉の真ん中に、小さな石の柱があり、銀色のボールとパンフレットが置かれている。


  「こんにちは、今井さん、お久しぶりです。私はこの間お世話になった人ですタイムトラベラーです。この世代の人には信じられないかもしれませんが、大丈夫です。私の立場を理解しなくても、とにかく、いいものがある。


  私があなたにあげるのは時の球、つまり隣の銀のボールです。一度回転すると過去に戻ることができますが、回数制限があります。三回になると使えなくなります。生命エネルギーを注入しない限り、一度に十年の寿命を要します。君にも時空旅行者の気分を味わってもらいたいんだよ、友よ。


  –今井山户へ」


  パンフレットを開いて読みました。


  見上げると、目の前にある銀の玉が、この本に出てくる時の球で、時空を超えられるのか?とにかく、嘘でもいいからやってみよう。


  この球が回転すると、不思議なことに、体は、玉が作り出す渦に巻き込まれて、時間トンネルのような空間を漂い始めた。

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