お笑い/コメディ

ひぐらし ちまよったか

村長の野望Ⅱ お笑い群雄伝

 ――前回のあらすじ……。


 『上手い事を言う』のに、情熱を傾ける村長さんは、近くの漁村で逗留中の『都で評判のコント作家』さんを訪ねました……。



「――で、村長? その方に弟子入りは、できたのかい?」


「いえ……『弟子は取らない』って断られちゃいました……」


「そうかそうか……残念だったのう?」


「えへへ……そうですね……なんでもその先生が言うには、都ってところは、それはもう『お笑いの激戦区』なんですって」


「ほう? それは知らなかったなぁ」


「でね、『――自分もやっと芽が出て来たばかりで、とても弟子なんか持てる立場じゃない』って言うんですよ……」


「なるほど……その御人も頑張っておられるのだのう……」


「そうなんですよ、今はチョットしたコントなんかを書いてるらしいんですけどね? いずれは本格的な『コメディー』を書いたり、『舞台喜劇』ってのをやりたいんですって!」


「おお! 『シェイクスピア』や『つかこうへい』サンの様なものか? すごいのう!」


「でしょ!? わたしも感動しちゃいましてね? 『応援してます!』って言って……帰ってきちゃった……えへへ……」


「――そうかい……さ、村長、もう一杯……」


「あ……ありがとう……ございます!」


「村長? それでお主……どうするのだね? 諦めるのかい?」


「……いえ! こんな田舎ですけど、わたしも私なりに頑張ってみようかと……」


「うむ! えらい! あっぱれじゃ! 見事な心掛けじゃぞ! 村長!」


「えへへ……あ、あ~ごいま~」


「こ……これ……泣くでない……わ、ワシまで、なけてくるでっ……ぐす!」


「わ~んっ……ゆうしゃさま~!」


「うん、うん……よし! ワシはお主を応援してやるぞ! そうじゃ! そうに決めたぞ!」


「ほ、本当ですか!? え、えへへ!」


「うむ……今から、わしはお主の『フォロワー』じゃぞ!」


「あ、有難う御座います! へへ……」


「? うん? 村長? おかしな笑い方じゃの? サッキまで『えへへ』って普通に笑っておったが、ちと『おかま』チックになったのう? ワシ、その気ないよ? ノン気よ? ワシ」


「あ、これはですね……へへ」


「なんじゃ?」


「お題が『お笑い』だけに、……」




 ――え~……ちょうど時間となりました……逃げろ!

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