第8話 樹里さんと……。


僕は、授業中も……外の景色

ばかり見ていた。


今日……学校に向かう前に


樹里さんのお母さんから

僕の携帯に、連絡が入った

からだ…………。



【お見舞い、、来てくれない

   かしら?樹里がね?

  あなたを待ってるの。】



僕は、樹里さんに、飛んで

逢いに生きたかったのだが、


そこは、俺の強い心のブレーキ

をかけた。


樹里さんと……出逢ってから

僕は、メキメキと男らしさの


雰囲気を身にまとっていた。



【学校は……キチンと行きたい

   ので、学校終わったら

   行きます!】



樹里さんは、僕に逢って

何を話すのだろうか?



あの、抱き上げた時の

涙の理由は何だったのか?


授業の終わりが近付くと……

皆は、何処か落ち着かない。



例外なく僕もだったかも?

終業のチャイムが鳴り出す。



6時限目が……終わった。


僕は……カバンに教科書と

ノートを慌てて入れる。


筆箱をその時、ガシャーン。と

落としてしまった。



僕は……慌てて拾い集める。


その場面を見ていた

過去に僕を、茶化した男子共が



【あ~あ。女が居る奴は

  良いよなぁ~。】

と……僕にケンカを吹っかけて

来たのだった。


僕は……そいつらの方を

ギロッと睨んだ……。


そして……

【なめんじゃねぇぞ。

  今度言ったら容赦しねぇ。】



僕は……そいつらに、負ける気

はしなかったからだ。


いつの間にか、僕の気迫に

押された、奴らは


口笛を吹きながら、そっぽを

向いていた。



カバンの中に、全てを入れ

終えて、僕は奴らにトドメを

刺した。



リーダー格の哲夫に、胸ぐらを

掴み、さらに声を低くして


【今度やってみろ。俺は

  お前らを、潰す……!!】



哲夫は……顔面蒼白になり

仲間と、慌てて教室から逃げる

様に……出て行った。



僕は……そいつらに向かって

【やりたきゃやればいい。

  俺もその代わり手加減

しねぇから…………。】



教室に居た、他の生徒は

僕の気迫に思わず感心していた。



【すげーな!有藤!!お前

変わったなぁ~。やっぱり愛

の力は、すげーよ!

 見直したぜ……!!】



皆が……樹里さんの存在を

気にしていた。


【お前を、こんなに変える

  女の子って、どんな?】


みんなが僕に、聞いてきた。


僕は……ただ、フフッと笑い


みんなの前から、

去って行く……。みんなが


【いつか、合わせろよ~~~】

僕は……返事をする。




【おう!!!!了解!!!】




樹里さんの入院している病院へ


俺は、自転車を走らせた。





久しぶりの再会に

胸をドキドキさせながら……





《樹里さん……今行くから!》




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あなたのくちびるに逢いたい たから聖 @342224

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