第7話

ひるが飛んで行ったあと、僕はやっぱり木の洞を覗き込んでみたけど、昨日と同じで積もった枯れ葉があるだけで、あのぶよぶよした水の塊のようなものは見つけられない。

緊張していたせいか、喉が渇いていた。僕は昨日のように木にもたれて座りながら、リュックの中の水筒を取り出す。


努力して仙人みたいな凄い存在になって、そして、悪いヤツになっちゃったら、神様にバチを当てられた……という事、なのかな、と、僕は水筒のお茶を飲みながら考えていた。

ひるは神様って言いたがらなかったけど、神様なんだろうな。そうじゃなかったら、一人の人間を二人に分けたりなんてできないもんな。それにしても、みたまってなんだろう。ひるとよかぜの魂のかけらなのに、持ってたら跳べないとか、中身が光でそれだけが盗られるとか、ひるの行く先々で神様がひるに渡したとか、どういう事なんだろう。また、二人に分けられた時、よかぜはなんで動かなかったんだろう。ひるはそろそろ海の上にいるのかな。頭の中には次から次へと疑問や感想が浮かんでくる。

いつの間にかパリパリとつまんでいたポテトチップスも残り少なくなっていた。明るさからすると、もう夕方に近い時間になっているようだ。

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