2023/04/07 入学式 中編

3人の目線は学校の昇降口に張り出された

クラス表に釘付けだ。


「あっ、片岡同じクラスじゃん!やったね」


「え~良いなぁ~」


「さくら、寂しいときは私が行ってあげる」


「いや、それは大丈夫」


桜 / 1-A

薫・片岡 / 1-C

 

桜は中学校3年間同じクラスだった2人と


離れる事が残念でもあり


新しい交友関係が楽しみでもあった。


「じゃあまた後で」 「うん、じゃあねー」




1ーAの教室にはすでに多くの生徒がいた。


黒板に貼られた座席表を確認し

自分の席に着く。


窓際の前から3番目


春一番が吹くと桜の木が大きくざわめいた


桜の花びらが教室にひらひら舞い込んでくる


外には満開の桜の木だ


     この席気に入った!!


いち、に、さん、よん、ご


桜は自分の机に舞い降りた花びらを並べた


頬杖をついて眺めてみる。


淡いピンク色が太陽の光でキラキラと輝く


     まるで、私たちみたい


そんな詩的な事がアタマに浮かんだ自分が


だんだん可笑しくなってきた


ニヤけた顔を隠すように窓の外を見る。


     



    私、高校生になったんだ


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る