第8話

被害を被ったのは俺だけじゃなかった。


休み時間にトイレに行こうとしたら、

移動教室に向かう途中の、

義妹、ヒナタとばったり鉢合わせした。


歩き方が変なので足元を見たら

上履きを履いていなかった。

気になって尋ねてみた。


「お、おい、ヒナタ。

おまえ、上履きは??なんで、スリッパなんか履いているんだよ?」


「なんか、よくわからないんだけど。。

朝きたらなかったの。下駄箱の周りを探して

みたんだけど、、

そしたら、一応、ゴミ箱にあったんだけど、、

それが、、なんか、オレンジジュースみたいなものをかけられてて履ける状態じゃなくなってて、だから、先生に言って学校のスリッパ借りたの。。」




ヒナタは平気そうな顔してそう言ったけど。


このとき、俺の耳に聞こえてきた女子の声に、嫌な気持ちがさらに加速した。


「あの顔でシンジくんと同居とかマジでむかつく」


「ねー、そうだよねw」


「私が代わりに同居したい。

シンジくんの義妹になりたいなぁ」


咄嗟に。


声のした方を振り向いたが、

ガラの悪い女子どもは、

「あ、もしかして聞こえちゃった?」と

小さく嘆いて逃げるように教室に入って行った。三組の女子トリオだった。

顔は見えなかった。



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