続2話 杏子と雪代の禁欲生活開始



 ……あれから、おたるんの男の子化は順調に進んでいた。


 まだ、胸はそのまま残っている。でも男の子でも太った人は胸があるし……でも銭湯とかは入れなさそう。


 私のリハビリも進んで、もう大きくなったおたるんを見ても大丈夫だ。


 ゆきよんも、あれからはもう……おたるんとの子供を作るなんて言わなくなった。

 


 でも……私はある時、学校でクラスの男の子が、あの話をしているのを聞いてしまった。


「俺もう2週間も禁欲……きちー」

「マジかよ?オ〇〇ーくらいしとかねーとアレも大きくならねーぜ?」

「だってよぉ彼女が……」

「バーカ、大きくすんのも彼女の為だろ?」

「といってもなぁ……」

「よし。俺のとっておき貸してやるよ!お前の好きな人妻物だぜ!へへへ」


 は?アレが大きくなる? どういう事?


 私は意味が分からなかったので、ネットで検索してみた……。


 検索すると、オ〇〇ーやエッチな事をすることで、男の子は大人の体へ成長すると書いてあった。


 嘘……。駄目だ。おたるんはもうこれ以上、大きくしちゃダメなんだ。


 止めないと……。


 私のリハビリはもういいから、おたるんをこれ以上……。


 おたるんが、これ以上大きくなったら……困るよ。



◇◇



 私は、すぐにゆきよんに警告した。


「ゆきよん、ちょっと」

「どうしたの?杏子ちゃん」

「私、もうリハビリしないから……」


 ゆきよんは困惑の表情を浮かべている。


「どうして?」


「どうしてもよ!それから、ゆきよんもおたるんのアレには触らないで!」

「分からないよ?杏子ちゃんは、おたくんの事嫌いになったの?」

「大好きよ!」

「なおさら分からないよ?」


 私はゆきよんに、聞いた話と調べた結果を説明した。


「そっか……杏子ちゃんは、もうこれ以上おたくんのを大きくしたくないから止めようという事でいい?」


「そうね」


「だったら仕方ないか……おたくんには言うの?」


「言えないわよ?」


 言えるわけない。こんなの私の押し付けに過ぎないし。


「でも……言った方が良いと思うな。おたくんまた落ち込んじゃうかもしれないし」

「それに、嫌われたって思われても嫌でしょ?」


「それは……そうだけど」



◇◇



 保健室で勉強していると、杏子と雪ちゃんがやって来た。


 杏子とは……今は家族だけど、杏子は僕の大切な恋人だ。そしてもう一人、雪ちゃんも僕の大切な恋人になっている。


 世間一般では二股と言われるかもしれないけど、僕にとっては二人とも、大切な人なんだ。


 そして、僕は二人を選んだから、こうして二人とも僕を心配してきてくれる。


杏子は、僕の向かいの椅子に座って話し始めた。その顔は、結構真剣な表情をしていた。


「おたるん、私もうリハビリは止めたから」


「え?もう大丈夫なの?」

「うん、おたるんのおかげで、もう大丈夫だから……」

「そっかぁ!良かったぁ……もうトラウマはいいんだね?」


「う、……うん」


 杏子ちゃんはトラウマが治ったようで、僕に報告してくれた。でも……ちょっと歯切れが悪い。


「治って良かったね?」


「…………うん」


「それじゃ僕、もっと大きくなれるように頑張るよ!」

「ダメ!!!」

「え?」

「それは……ダメなの……」

「それは……どう言う事?」


「…………」


 杏子は、押し黙って俯いたまた唇を噛み締めていた。


「杏子ちゃん?言わないと伝わらないよ?」


 雪ちゃんが心配そうな顔をして杏子を促している。何か知ってるのかな?

 

「……ごめん!私!……本当は治ってないの……」


「うん……?」


「実は……エッチしたりすると大きくなるって聞いて……おたるんのには慣れたけど……これ以上大きくなったら耐えられない……かも……」


「それに……杏子ちゃんは、おたくんの今の成長したままの、おたくんが好きなんだよね?」


「な!ゆきよん!?」


「そうなの?杏子……」


「……うん」


 杏子はトラウマは治りきってないけど、今の僕が好きだと言ってくれた。


 だったら僕がする事は……。


 杏子の好きな僕でいる事だ。


 その夜、僕はいつものように雪ちゃんに弄られていたら……杏子に怒られた。


 そして……杏子から……雪ちゃんと僕に……エッチ禁止令が発令されてしまった。






読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。



レビュー☆☆☆にコメント、応援♡を頂けたらとても嬉しいです。


開始と言う事なので、ここからまた始まるかもしれません。

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