限りなく透明に近い黒

アイドルの培養肉という題材を選びながら、ノスタルジックな憧憬を透明な文体で表現した凄まじい作品です。

アイドルの培養肉を食すのと
同級生の培養肉を食すのとは全く違う行為ですが、その対比も生々しく、

肉の焼ける音で高校時代を回想しているはずなのに、
まるで、雨の日に卒業アルバムを開いていたかと錯覚してしまうような読後感でした。

「黒く、透き通った」と表現したくなるような、そんな作品です。