【6】

中学は松山城のすぐ近くにあって 入学式の時 桜もめっちゃきれいだった。

本当は愛媛大学教育学部附属中学に行きたかったんだけど どうせ行っても転校になるんじゃないかと思って受験せず 市立中学に行った。附属中には少年合唱団の歌の先生が音楽の先生として教えてたから それで本当はめっちゃ行きたかったんだけど。出来たら3年間附属中に行きたかった。

でも松山城のすぐ近くの市立中も 松山城へと進んで行く途中にあって まわりの景色もきれいな良き中学だ。あいちゃんとも、また会えると思って、小学校卒業以来、連絡してなかったんだけど、どうも私立中学のほうに進学したみたいだった。中高一貫の私立中学があったから、そっちのほうに行ったみたいだ。確か女子中・女子高だったように思う。それだったら自分も女の子みたいだから、あいちゃんと一緒に私立女子中のほうに行けば良かった。

自分は市立中のほうに行き始めて、学校で友達に「足の裏を見て!」って言われて なんだ?って思って普通に見たら「女の子が見るみたいに見ると思った」て言われて ああ やっぱり女の子のように思われてるんだなあと思って嬉しくなった。それなら、あいちゃんと一緒に私立女子中に行けば良かった。学校でも いきなり友達に うしろからギュッと体をつかまれたり 抱きつかれたりする。そうしたいのなら、してくれていいけどもって、いつも思ってる。

小学校でも図工は好きだったけど中学でも美術が好きで 松山城から見渡せる松山の街並みを得意の遠近法を駆使して描いた絵が絵画コンクールで金賞を受賞した。

音楽も好きで 授業で歌を歌うのも好きで 1人づつ歌うのも本当は好きなのに しかも高音もめっちゃきれいに出すこと出来るのに わざと高音出しにくいふりをしてしまい 音楽の先生からも もっと出せるようにならなきゃねって言われて 本当は全然出せるのに...

部活もバスケ部に入ったものの なんとなく、そろそろ転校しそうなのもわかっていたから、どうせこの学校に3年間いられないんだからと思うと 初日に出ただけで、あとは行かなくなってしまった。

ブラスバンド部に入って新しい楽器を何かやりたかったのに やはりどうせ自分は転校してしまうんだからと この中学に3年間ずっといられないんだからと そう思ったら 結局 入りたかったブラスバンド部にも入らなかった。

そう思うと やはり小学生の時の少年合唱団の歌の先生が音楽の先生として教えている愛媛大附属中に行ったほうが自分は良かったのかなと。同じどうせ転校するにしても 好きな音楽の先生のいる附属中に行けば良かったのかなと。

でも松山城のすぐ近くの中学に行けるのも貴重なことだから 毎日松山城へと向かって通学できる市立中学も 本当はめっちゃ良き中学だったのだ。

中1でも やはり運動会ではリレーの選手として走ったし フォークダンスでは女子とドキドキしながら手をつないだし。あいちゃんと、ではないけども...

でも松山は転校して来てくるには まわりのみんな優しくてあたたかくて良き街なんだけど そのぶん転校して松山を離れてしまわなければならない時には めっちゃさびしさを感じてしまう街でもあった。

あいちゃんとも中学生になってからは会わなくなってしまったし...でも小学校の時の良き友達とも中学でも一緒に過ごせたし 中学で新しい友達も出来たけれども やっぱり中2になる時に自分は転校することになった。

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