その8.うつ病と性別違和と(1)

※しんどくて吐き出します。label XのSNS (クローズド)にも掲載。


2020年7月4日


最近、「余暇」をどう過ごせばいいか、自問自答を繰り返しながらもがいている。

先週の日曜日だったかな。この「小説家になろう」のサイトで、たまたま気に入ってブクマしていた作品をずっと読んでいた。難しい設定とか背景とかは頭に入ってこないので読み飛ばしているけど、100話以上あった話を1日で読み切ってしまった。


よくある、異世界転生+チート設定モノだったけど、ちょっと違っていたのは復讐劇だったこと。壮絶ないじめを受けていた主人公が、いじめていたクラスメイト全員に復讐していく、という筋書き。よくある設定なんだけど、なぜか目が離せなかった。後半になるにつれて、復讐に生きる主人公(ちなみに女の子に転生する設定)、少しずつ友人関係を構築していく様子、そして散っていく彼らの命。ハッピーエンドで終わるんだけれど、妙に「命」「生」「死」というキーワードが頭から離れなかった。

端的に、彼らの生き方が羨ましかったんだと思う。復讐という暗い目標ではあったけど、それを達成できて、主人公を支えてくれた人たちがいて。


異世界転生できればいいな、とかそういう話ではない。

人生で、自分の生死を支える最も根幹的なもの、それを達成し、残りの人生を血や死とは無縁の地で友人たちを過ごす。


そこに、私が加入しているジェンダーサークルのクローズドSNSの中で、ある方が書いていてた、「人生は一度きりなんだ」という言葉で決壊が崩壊してしまった。


現実の私は、男で生まれ、ホルモン療法も諦め、眉唾もののバストサプリを服用する、歪な体。

職場で好きな服を着れる権利には、感謝している。これができずに、涙をのむ同胞が数多くいることを知っているから。


私は、父親だ。夫だ。そして教員だ。子供も3人いて、これから教育費が爆発的に跳ね上がるだろう。死ねない。死ぬことは許されない。3番めが大学|(かなにか)を卒業するまでは。

でも、私の性自認はズレていて、中性だけど女性にかなり近い。でも、上に書いたような制約は、地域社会という強烈に閉鎖的な社会と密接に関わって生きていかざるを得ない我々にとって、決してないがしろにはできないことだ。


私は私の人生を生きているのだろうか。

私は誰の人生を生きているのだろうか。

私は 私は自分が望む生き方を選べているのだろうか。


そこまで考えると、もうだめだった。1時間はゆうに泣き続けていた。


異性装していると、緩和される。確かにそれは分かる。実感がある。

でも根本的ではない。好きな服を着て満たされるのは、私を構成する一要素(だが、すごく大きな割合を占めているが)だけでしかない。自己満足の世界だ。


どうしてこう言うふうに生まれてきたんだろうか。

・・・長男が、急性骨髄性白血病になったときに、似たようなことを考えた。どうしてうちの子なんだ、と(無事完治したが・・・)。


世界は理不尽から構成されているのだろうか。社会的慣習、倫理観、云々という数々の縛りにより、私達は結局、社会的には「男」「女」の2つしか選べない。


たとえば結婚にしかり。結婚とは妥協だ、とは真理だと思う。

いわば異国間協定を締結するようなものだ。それも、何十、何百という項目が並び、それを常に言葉により意見を交換し、議論を交わし、そして一定の妥協点を見出す。それが延々と続く。さらにその項目は絶えず更新されずつけるのだ。


いっそ、性自認がズレていない男として、気づかずに生きていければ、もっと楽だったのだろうか。


どっちがいいのかなんて分からんし、「男」として生きていくのは嫌だ。そう思ったから、大激論の末に、妥協点を見いだせた。払った犠牲は少なくない。少なくともうつ病は悪化し、自殺名所を選び、行き方、方法を具体的に考える結果を伴った。


最近、職場の姿見に映る自分を見て、「滑稽だな」と思えてきた。あれだけ望んでいたのに。好きなはずなのに。心が休まっているはずなのに。でも、結局似合ってない。いや、合ってない。冒頭でも書いたが、「歪な誰か」がそこにいる。


最近、自分のブログに、よく「明日、世界が終わっていますように」と書くようになった。ちょっとネジが外れているみたいなのは感じている。薬が足りない気がしている。何もかもを巻き添えにするような理不尽により、一瞬で地球が消滅する。それはある意味で幸福なのではないだろうか。この一生続く、内省(有益なのか不毛なのかは判断がつかない)と自己嫌悪、決して好きになれない自分に対して、終わりをくれるのだから。


またしょうもないことを書いた気がする。

でも、こうでもしないと私はわたしでいられなくなる。また入院しなければならなくなる。

昨晩、自傷してしまった。といっても、リストカットではない。カッターなどは痕が目立ちすぎて家人がうるさいからできない。だから代わりに手首に噛み付いている。リストバイト、とでも言えばいいのか。痛い。肉を噛み切るほどの痛みにはどうやら耐えられないから、耐えられるギリギリの痛みをじっと味わう。すっとした。幸い、噛み跡は残っていない。


鬱の波とジェンダーは確実に相関関係にある。

表面上は、仕事はこなせて、子供も風呂に入れて、寝かしつけて、食器洗いや家事をこなせる。

でも今、こうして吐き出している内容は、こんなに支離滅裂だ。


吐き出さないと、もっと沈むし、蓄積し続ける。


どうして私は・・・・・・


その先の問を、なんどもなんども反芻して、涙が止まらなかった。

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