情熱と冷静とのトワイライトに微笑んで

至極の一品を食べたような、読後感が素晴らしい。
レナートが実にいい。

ラウルは柔らかくて匂いがないラムか乳のみ仔羊をつかい、仔グリフォンっぽい匂いを香辛料で香り付けした調理をしたのだと想像する。
それだけの技術がありながら、食品偽装をして「天才料理人」を名乗るのはおこがましい。
腕前と才覚がありながら間違った使い方をしているラウルを見て、レナートは惜しい男だと思い、自らを貶める行為に走らぬよう諭す意味も込めて、国王陛下の料理人になるよう釘を刺したのだろう。



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