第3話 深酒

「「あーっ!」」

二人の声がキレイに重なる。


「またあなたですか?」

せっかく忘れようとしたのに、目の前に現れた。


「また、って何ですか?仕事で来ただけです。」


ムカつく!何てかわいくない男!

伝票に判子を押して、荷物を受け取り背中を向ける。


あいつにだけは会いたくなかった…。

せっかく麻由美から元気もらったのに。


チラッと受付を見たら、他の社員と仲良さそうに話している。

(他の人にはいい顔して。本当は腹黒いくせに。)




結局、今日は夕方までムカムカがおさまらなかった。


明日は祝日。勢いでワインを一本開ける。

久しぶりに深酒をしてしまった。

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