最近売れて来たYoutuverがBLのRTAをする話

宝者来価

世界記録更新なるか

自分はゲームのRTAを売りにしているYoutuverである。

名前は『お茶川柳』だが某有名なお茶とは関係が無い

分かりやすい名前だと思って適当に名付けたが今は気に入っている。


「ハイパーマイオのRTAの生放送開始しまーす」


レトロゲー(昔のゲーム)だが、結構な数の挑戦者がいるゲームだ。

広い世界を冒険できるとあって当時は飛ぶように売れたので人気は未だに中々のもの

何時ものように何気なく放送している時に、これまた何時ものコメントが来た。


『記録あるか?』

『このまま順調にいくに100円かける』

『マイオのRTA以外やらないの?』


最後のマイオのRTA以外やらないの?の言葉に返した。


「やるやる!RTAなんて全部やるもんね!」


『全部って言っちゃったよ』

『腕立てRTAとかどうだ?』

『っていうかいくら何でもBLRTAだけは無いだろ』


BLRTA?


「そのBLRTAって金かかる?」


『全く』

『マジでやるの?』

『そもそもBL理解してない可能性について』


「ボーイズ・ラブだろ?あ、しくった」


記録を狙うのであれば、一度のミスをしたらもう取り返しがつかないので基本はリセットだ


『BLRTAやろうぜ』

「とりあえずレギュレーション(RTAのルールの事)確認しよ」



グーグルで検索してみれば、レギュレーションが明確に記載されていて全力で楽しむアホがいる事は分かった


①付き合って下さいとプレイヤーが言って、相手が同意すればタイマーストップ

②RTAをしている事を相手に伝えてはならない

③付き合っている者同士で行ってはならない

④BLRTAとGLRTAの二種類がある

⑤女は女、男は男にしか告白できない



「なるほど?つまり『付き合って下さい』に『YES』とか『はい』の同意させる言葉を言わせるためのRTAなんだな?」


そして『お茶に付き合って下さい』などでOKらしいが、それは正直ツマラナイよな?

ここでyoutuver界隈のボケ担当である俺に求められる事

それは盛大に告白して盛大に振られ、その状況を笑われるシーンである!


RTAの記録保持者が10秒86、100m走ったタイムか?



『誰に告る気だよwww』

『少ない友達無くすぞ』

『っていうか電話出来る相手いるの?』


むっちゃ相手困惑させたろと思い、界隈の人に『今通話出来る人~』と呼びかけた


「さぁ片っ端からTwitterの俺をフォローしてるYoutuverにメッセージしたぜ!」


コメント欄は誰がくるのか大盛り上がりである


『誰やねん?』

『優しさで答えたら被害者なのワロス』

『飯に誘ってステーキ10人前奢るとかいえ』


一人から通話してもいいと返信が帰ってきた、名前は『自己不落(ジコフラグ)』

僕ッ子で後輩っぽい所があり男の娘系のビジュアル

自分と同じくらいのSNSフォロワーを持ちさらに都合がいいことに向こうは『イジられキャラ』で通しているので超最適な生贄であった。



「ではかけまーす」


呼び出し音が鳴る、たったの1コールで彼は出た


「もしもし?初めまして」

「付き合って下さい」

「いいですよ」


タイマースタートを押した、止める気などない

驚きか断りの後にネタばらししてやろうと思っていたのだが



ちょっと待て、今秒速で返事が来た


ストップを押してから何で自分がこのストップウォッチを止めたのかと頭が一瞬白くなった。



「へ、あ?」

「まさか何時も実況でカッコいいと思ってるお茶川柳さんが、僕狙いだなんて感激です!」

「いや、その……生放送中で、して」


『想☆定☆外』

『ホモォ?』

『ひゅーひゅー、熱いねぇ』


「何の生放送です?」

「えーとRTA」

「あれ?もしかして記録が出なくて自暴自棄な感じで僕に告白してる?」

「たった今世界記録が出た所ですよ」

「僕の彼氏は流石だね!」


付き合えると分かると可愛く見える現象ってあると思うか?俺はある



「えーと、自己不落さん」

「どうしたの?」

「付き合えると分かったら好きになったから結果オーライで!」




俺は正式に、世界記録の保持者になった

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最近売れて来たYoutuverがBLのRTAをする話 宝者来価 @takaramonoraika

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