#3:三年前の事件

「ことの発端は三年前の夏だ。ちょうど八月に、母子島キャンプ場は最盛期を迎えていた。とはいえ、このとおり小さい島のキャンプ場なので、客はピーク時でも二十人程度が最大だったというデータがある」

 猫目石が、話し始める。今までややおぼろげで、ぼんやりとしかつかめていなかった今回のキャンプの発端。三年前に起きた『母子島殺人鬼事件』の全容を。

「その日もそれくらいの客が入っていた。そして彼らが被害者となった」

 囲んでいた炎の勢いは弱くなり、ちろちろと燃えるに留まっている。

「現場は母子島キャンプ場とされているが、正確にはここ。子島側ですべての凶行が演じられた。当時、母島側のグランピング施設には客がいなくてね。子島側のテントサイトでキャンプをしていた十八名の客、それから四名のキャンプ場関係者が亡くなっている。警察に頼んで資料を見せてもらったけど、死体は酷い有様だった。外傷の見本市と呼んで差し支えない様相を呈していたな。しかも子島側で発見された死体は死者二十二名のうち、十五名分だけだ。後は逃げようとして海に落ちたのか、犯人が死体を海に投げ込んだのか……。警察は三か月ほど定期的に母子島周辺の海域を調査したが、ぽつぽつと魚に食われたのかバラバラになって誰のものとも分からないような死体の一部が上がることがあった」

「観光客の釣り人が釣り上げちゃったこともあって、しばらく大変だったんだって」

 何の気なしに欠片が情報を補足する。

「その被害者の中に、奈央さんの夫でキャンプ場オーナーの浜岡五郎さん、そして息子の伍策ごさくくんがいた。二人の死体も海に消えてしまった。五郎さんの死体は結婚指輪をつけた左手だけが後になって発見されたんだけども、伍策くんに関してはさっぱりだ」

「その息子……伍策って人はどれくらいの年頃だったんですか?」

 柳が疑問をぶつける。

「今年で十八になります」

 答えたのは奈央だった。

「濃尾さんのところのスカウトに所属していて、みんなの先輩にあたります」

(そういえばそんなこと言っていたな……)

「スカウトと言えば、この事件にはもうひとり、語らないといけない被害者がいる」

 猫目石が話を続けた。

「それが北斎さんの息子で西瓜さんの兄にあたる、南南瓜かぼちゃくんだ。年は伍策くんと同じで、二人は仲のいい友人だったという」

 それも、既に聞いていた話だった。西瓜が兄とのつながりでスカウトたちと面識があるとは聞いていたが、なるほど、奈央の息子ともつながっていたわけである。

 そういえば北斎が昼から飲んだくれていることを瓦礫は大目に見ていたが、確かに、息子が死んだ土地にいれば神経も参って酒でも飲まないとやっていられないだろう。

「結局、犯人は誰だったんすか?」

 健が聞く。

「当時から今まで、いろいろ説は出てるんすけど……。正直どれも本当っぽく聞こえるような聞こえないような」

「こういう迷宮入り事件が出ると、外野がうるさいのなんのって」

 欠片が肩をすくめる。

「わたしも調べたけど、だいたいがろくでもない適当な論だよ。キャンプ場の客が犯人って言ってみたり管理人のひとりが犯人って言ってみたり。中には被害者全員で殺しあったんだなんて馬鹿なことを言う人もいたなあ」

「まあでも実際、被害者が殺しあったと仮定すれば犯人が消えた理由の説明はつくからな。もっとも、被害者の状態からして殺し合いが起きていないのは明白だけど」

「犯人が消えた?」

 柳はそこに引っかかる。未解決である以上、何らかの問題が残っているのは想像できたが、消えたとはどういうことだろうか。

「消えたって……」

「言葉通り。犯人は島から消え、現在でも見当がついていない。犯人は犯行後海に身投げしてその死体が被害者のものと混ざったかもしれないし、何らかの手段で島を脱出したかもしれない。生死すら不明となっている」

 だが瓦礫の言い草には、どこか確信めいたものがあった。この事件について、彼は何らかの見解を持っているような様子がある。

「犯人は誰なんでしょうか」

 景清が、問い詰めるように言葉を発する。

「猫目石さんは探偵なんですから、今回事件のことを調べて何か推理ができたのでは?」

「さてね」

 猫が身をよじるように、景清の追及を瓦礫はかわす。

「今回、僕が依頼されたのはキャンプの付き添いだけだ。その過程で必要だったから過去の事件について調査はしたが、犯人を特定する依頼を受けたわけでもなければ前金をもらっているわけでもないのでね」

「それは、そうですが……」

「そういえば、君が犯人だとする推論もあったね」

「…………」

 景清は黙りこくった。

「奈央さんは当時母島側にいて、騒ぎには気づいたがあまりの異様さを覚えて自宅から出なかった。騒ぎが収まってから、子島へ様子を見に行き凄惨な現場を目撃するに至った。だが景清くんはそもそも子島側にいた。事件の唯一の生還者と言ってもいい。その顔の傷は、そのときのものだったな」

「ええ、そうです。奥さんは事件の犯人には興味がないみたいですが、正直を言うと僕は……」

「だろうね。犯人扱いされていてはかなわないだろう」

(そういうことだったのか)

 柳は納得する。これでおおむね、事件の全容とこのキャンプに参加している人たちの関係性は見えてきた。

(しかし……この面子で過去の事件が顔を出すことを奈央さんが心配しているというのがどうも奇妙というか……)

 事件の全容を知ったからこそ、さらなる疑問がわいてくる。

(要するに被害者遺族だろ? 存在が不確かな犯人に恨みこそあれ傷を舐めあう者同士だ。それなのに奈央さんは探偵が必要になる事態をどことなく不安視している)

 まるで。

 この中に三年前の事件の犯人がいて。

 再び今回、惨劇を繰り返すんじゃないかと疑っているかのようだ。

「……そうだ。ここの管理のバイトをしている田中太郎って人がバックレたって話してましたね」

 正平が思い返したように言う。

「それもひょっとして、景清さんが犯人だと思い込んだから? 景清さんが今回のキャンプで、何かやるのではと疑心暗鬼になったとか」

「別にそれならそれでいいんだけどね」

 景清は諦めたようにため息をつく。

「そこまで考えているようには思えないな」

 柳がくちばしを挟む。

「田中何某については知らないが、そこまで考えられるなら、突然消えたら景清さんを疑っていると表明したようなものだと分かりそうなものだ。景清さんなら履歴書なりなんなりで住所を突き止めて口封じできるんだから、そういう恐怖心に駆られた人間は警察にでも駆け込むだろう、普通は」

「どっちみち、どーもキナ臭いけどね」

 欠片が同調する。

「というか柳くん、ここまでの口ぶりだと三年前の事件について全然知らなかったんだね。依頼で来たんだから調べてそうなのに」

 ニヤニヤと、こっちを見る。明らかに馬鹿にしている。

「……怪人の件があるから問題視しているだけで、本来三年前の事件がここまで重要になる想定じゃなかったんだ。調べれば分かることとはいえ個人情報でもあるからな。不必要なら調べないのもエチケットだ」

「ふーん」

 納得していない様子である。とはいえ柳としては欠片にどう思われても気にすることではない。ない……はずだが妙にむずむずする。

「……ん?」

 ふいに、善治が空を見上げる。

「どうしました?」

「いや……ポツリと来た気がして」

 奈央の問いかけに、善治が手を前に突き出して答える。

「そろそろ雨が降るかもしれないな」

「じゃあ、お開きにしましょうか」

 囲んでいたキャンプファイアーもいい加減、燃え尽きている。最後の話が過去の陰惨な事件の語りだというのはなんともしまらないが、それを気にする立場に柳はいない。

「火の始末は僕がしておきますので、みなさんは先に戻ってください」

 景清が立ち上がり、燃え尽きた薪の処理にかかる。彼の言葉に従い、皆は三々五々、宿泊施設へ戻っていった。

「今日はもう風呂入って歯磨いて寝るだけか」

 健が欠伸をする。

「なんかキャンプの日っていつもより早く眠くなるよな」

「……人間の眠気は光量の影響を受ける」

 遼太郎が答えた。

「夜に人が眠くなるのは、暗くなるからだ。逆に夜でも光を浴びていると眠くなりにくい。キャンプ場は夜に順当に暗くなるから眠くなるけど、普段は深夜でも明るい室内にいるから眠くならないんだ」

「なるほどな。でもなんか早く寝るともったいない感じするよな。……風呂ってどこで入るんだっけ?」

「ロッジにあるぞ」

 今度は正平が答える。

「夏だから汗さえ流せればいい。湯に浸かる気分じゃないな。一応、ロッジ横の入浴施設も準備はしてもらっているが」

「あれ男女で分かれてないだろ。入浴時間ずらさないといけないじゃん。女子はそっち入って、俺らはシャワーでいいだろ」

「そうだな。西瓜、それでいいか?」

「分かった。じゃあ行こうか」

 西瓜が前を進んでいく。その後ろを欠片がついていった。

「……どうした?」

 棗は離れがたいように、柳にくっついた。それは人見知りする棗の行動としてはいつも通りで不自然なことではないのだが……。西瓜にはあまり人見知りを発揮していなかったこともあって、柳は少し不審を感じた。

「いやな感じがする」

「どういうことだ?」

「あの欠片って人、すごくいやな感じがする」

「……そりゃあ、な」

 柳としても「いやな感じ」とは言わないまでも妙な感覚があるのは事実だ。正平や健、遼太郎や西瓜のような同年代の人間と比べて、どこか異質なところがある。

 その異質さを言葉で説明できないのが、ことさら厄介なのだ。単に探偵の弟子という事実から来る柳の僻目があるのか、それとももっと得体のしれない何かなのか……。

「そうは言っても、危険性があるわけじゃないだろ。行ってこい」

「……うん」

 棗はしぶしぶ柳の傍を離れ、西瓜たちの後を追った。

 ロッジに戻った柳たち男衆は、順番にシャワーを浴びた。順番を待つ間、部屋のテーブルなどを片付け、寝袋を敷いて就寝の準備を整える。遼太郎はシャワーから上がると一息つくように、またゲーム機を弄り始めた。

「なあ恋バナしようぜ!」

 先にシャワーを浴び終わった健は、唐突にそんなことを言った。

「はあ?」

 同じくシャワーを浴び終わっている柳が答える羽目になる。遼太郎はゲームをしていて会話に参加する気がまったくないし、正平はシャワーを使っている。

「なんでそうなる」

「こういう日の夜は恋バナって相場が決まってるだろ」

「初めて聞くなそんな相場は」

 とはいえ……。柳は健の心情を慮った。なにせ柳を除けば唯一、例の怪人を目撃しているのが彼だ。そんな彼が三年前の事件を聞けば……特に犯人はまだ捕まっていないという点を聞いてしまえば、多少なり恐怖するのは間違いない。その恐怖を紛らわせるための恋バナなのだろうと納得することにした。

「そうは言っても、恋愛対象になる女子が三人しかいないだろ。いや二人か。棗を入れてたらぶっ飛ばすからな」

「さすがに小学生を恋愛対象に入れねえよ。どんなロリコンだ」

 そして二人と言ったが、正確にはひとりしかこの話の対象になる人間はいない。

「西瓜と欠片の二択だが……。お前たちの関係から察して、西瓜は恋愛対象になるような距離感じゃないだろう。要するに欠片の話をしようってことか?」

「ほーん。じゃ、お前は欠片が気になるんだな? 俺は恋バナって言っただけで、別に恋バナはこの場にいる女子の話をするって決まりはないんだがな」

「…………」

 妙なところで藪を突いてしまったらしい。

「分からんでもない。ありゃ随分イケてるからな。あんな整った顔のしたやつは俺、見たことないぜ。東京を歩いてたら確実に放っておかれないタイプだ」

「そこまでかね……」

 柳は適当にあしらったが、健の言い分も理解できる。顔で食っていけそうというか、見た目の良さだけで世の中を渡れるレベルの逸材なのは間違いない。

「あれで性格が悪いとか愛想がないとかだったらまだしも、普通に人付き合いもいいときてるからな。無敵だぜ。あの猫目石さんって探偵からどうやったらあんなのが産まれるのか……生命ってのは神秘だな」

「そうだな。トンビがタカを産むという次元ですらない。母親似にも限度があるだろう」

 まだ瓦礫が橋の下で拾ってきたと考える方が現実味があるくらいだ。だが実際は態度だの所作だの、どことなく父親と似ているところがあるのでやっぱり親子なのかと思わせられる。

「母親似ってことはあいつの母親もすごい美人なのかもな。猫目石さんがどうやってそんな人と結婚したのかも気になるね。秘訣を聞きたいくらいだ。それとも探偵ってモテるのか?」

「プロのスポーツ選手みたいなものだからな。一流の探偵が一定のステータスになるのは否定できないが……それだけで射止められるわけじゃない」

「いいなあ。俺も探偵目指そうかな」

「そんな不純な動機で探偵を目指すやつはいない」

 柳はそう言ったが、しかし実際のところ、それに近い不純さで探偵を目指すやつは多い。これもまた、プロのスポーツ選手と似ているかもしれない。いや、なまじ頭を使っていて、その頭脳の冴えは表向き凄さが分かりづらいこともあって、「俺でもできそう」と思い込む馬鹿が量産されるだけスポーツ選手より性質が悪いかもしれない。

「あんまり人のことを適当言うもんじゃないぞ」

 シャワーから上がった正平が髪を拭いながら、話に加わる。

「欠片さんが父親似でも母親似でもどっちでもいいことだ」

「そうは言ってもな。ああいう感じのやつ、俺は見たことないし」

「そりゃ見たことないだろう。俺たちの環境には普通いないからな、探偵の弟子なんて」

 実際にその通りで、だから欠片や柳という存在が正平たちにとっては物珍しいのだ。

「もうそろそろ寝よう。電気を……」

 と、正平が言いかけたところで止まる。彼は遼太郎の方を見ていた。

「……どうした?」

 健も疑問を口にするが、正平が動きを止めた理由は柳にも分かった。さっきまでゲームをしていた遼太郎がじっと、動きを止めていたからだ。

「何か気になることでもあったか?」

「…………これ」

 遼太郎は、ゲーム機の画面を見せた。

「……ん?」

 この場の三人はゲームにさほど詳しくないので、画面を見せられてもすぐには理解できなかった。ただ画面に映っているのはゲームのプレイ画面ではなく、何らかの設定表示の画面なのだろうというのは想像がついた。そこにはリストのようなものが並んでいる。

「なんだそれ?」

「ゲームのワイヤレス通信画面だ。近くにいる通信可能プレイヤーが表示されている」

「表示されてるっつってもよお」

 健が画面に顔を近づける。

「こんな島でゲームしてるのなんてお前だけ、だろ……」

 その画面を見て、健も固まる。何事かと思って柳と正平も覗き込む。

 そこには、ひとりのプレイヤーの名前が挙がっていた。

 『5SAKU』と。



(なにがどうなっている?)

 消灯後、こっそり寝床を抜け出した柳はロッジの玄関口付近の階段に腰かけて、じっと考え事をしていた。

 彼の頭を占めていたのは、当然、さっきのこと。

(まず、母島と子島で謎の怪人を目撃した。その上、さっきは謎の人間が遼太郎のゲーム機に表示された)

 『5SAKU』は明らかに伍策――浜岡奈央の息子、浜岡伍策のことだろう。だがなぜ、彼の名前がゲーム機に出現しているのか。それが分からない。

「どうかした?」

「…………」

 声に気づいてそちらを見る。いつの間にか隣に欠片が座っていた。

「だいぶぼーっとしてたけど」

「別に」

 生暖かい風が吹く。その風が欠片の髪に残ったシャンプーの匂いを柳に向けて届けた。思わず顔をそむけてしまう。

 欠片は半袖Tシャツとハーフパンツ姿で、その生白い腕と足をさらけ出していた。

「……遼太郎のゲーム機に伍策らしいやつの名前が出てきた」

「へえ」

 気を紛らわそうと、話題を探すと必然的にそれを出さざるをえなかった。

「俺はあいつの持ってるゲームについては詳しくないが……伍策は生きてるとでも言うのか?」

「うーん。それはどうだろう」

 欠片は首をかしげる。

「遼くんの持ってるゲーム機だと……。この島にはWi-Fiも通ってるけど、たぶんローカル通信機能でしょ、使ってたのは」

「ローカル通信?」

「同じネットワーク内の人たちで通信する機能。この場合、母子島キャンプ場のWi-Fiに接続している人たち同士だけで通信することになるから、その伍策らしい人も、ゲームをしていてキャンプ場のWi-Fiにつながっていたってことになる」

「すると……」

「島の中にいて、ゲーム機を持っていれば誰でも伍策のフリはできるよ。子島だけじゃなくて、母島側の人たちでも。ゲーム機のプレイヤー名なんて設定でどうとでも変更できるし。遼くんがゲーム機を持っているのを知っていて悪戯したんじゃない?」

「いや……」

 仮にそうだとするなら、例の怪人と同じことが言える。三年前に事件が起きた島でするにはあまりにも悪質な悪戯だ。

「なあ、この島にはどこか潜伏できるところはないのか?」

「さあ? そこまでは調べてないよ」

 あっけらかんと欠片が答える。

「それに潜伏できるとして、いつ潜伏したの? どのタイミングであれ、奈央さんたちに気づかれず島に上陸するのは難しいと思うよ」

「そうだな……。仮に三年前の事件の後、犯人が行方をくらまし島でひそかに潜伏していたとしても……。三年も隠れられるはずがない。食料はどうするんだって話だ」

 現実的な考え方ではない。やはり今回のキャンプで島を訪れた誰かが怪人の正体であり、ゲーム機に伍策の名前を表示させた犯人でもあるだろう。

「この二泊三日で何もないといいがな……」

「師匠がいて何もないはずないと思うなあ」

 あくびをしながら欠片が呑気に言う。

「弟子のお前はそう思うのか?」

「そりゃあねえ。師匠と出かけた先で何もないことの方が珍しいし」

 言って、彼女は柳にしなだれかかってきた。

 突然の行為に柳は身を引くこともできなかった。

「ねむい……」

「じゃあさっさと戻れ。俺にもたれかかるな」

「ええぇ……」

 柳が欠片から目を逸らしていると、ふと、管理人小屋の方の暗闇で何かが動いているのが目についた。真っ暗だったがよく見ると、景清が管理人小屋から外へ出ていくところだった。

(こんな時間に何の用だ?)

 柳は疑問に思ったが、すぐに考えを改める。

(いや普通に母島の奈央さんあたりに用事でもあるのか。というかあの管理人小屋、造りはしっかりしているが宿泊するための場所じゃないのかもな。景清さんは母島で寝泊まりしているんだろう)

 だが、このとき。

 すでに事態は動いていた。

 そんなことを知らない柳は欠片を引きはがすのに一生懸命になっており。

 事件は、母島で起きる。

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