第2話  【BLACK EDGE 其の2 出会い】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第2話

 【BLACK EDGE 其の2 出会い】





 ここはナルスィス村。湖に面した村であり、夕方になると夕日で湖が真っ赤に燃え上がることから有名な村だ。




 そんな村にある一人の男がやってきていた。男は赤いコートを羽織った茶髪の男。身長は高い方であり、筋肉はしっかりついているが無駄な筋肉はついていない。




 男が村を歩いていると、路地からフードを被った子供が倒れてくる。




 男の目の前で倒れた子供は、




「お腹すいたです〜」




 と小さな声でつぶやいた。




 男は無視しようと通り過ぎようとするが、子供に足を掴まれる。




「お腹すいたです〜」




 さっきも聞いた言葉だ。




 男は子供の方を向かずに、




「俺はお人好しじゃねぇ、別のやつに言え」




 男は子供を振り払って先に進もうとするが、子供の力は強く足から離れない。




「お腹が〜」







 男はその子供は凄い勢いで食べ物を貪る。よほど腹が減っていたのだろう。




 焦って食べるあまり、子供はむせる。その様子を見て男は水を渡した。

 子供は水を一気飲みしたあと、




「ぷはー! ありがとうございます。あなた良い人ですね」




 子供はそう言うとフードを取る。




 子供は女の子だった。金髪に青い瞳の少女。




「そうか…………じゃあな」




 男はそう言うと、子供を置いて店を出ようとする。子供はそんな男にしがみついた。




「ちょ、じゃあな、じゃないですよ!! 色々聞くべきことあるでしょ!! なんで女の子が一人でこんなところにいるとか!!」




 男はそれでも無理して前に進もうとする。




「なんですか!! なんで逃げるんですか!! 面倒ごとに巻き込まれたくないからですか!! まぁ、どう見ても面倒ごとですしね!! ちょ、ちょ、ほんも!! まってくださいよ! もう頼れる人がいないんです!! 薄情者! 臆病者!! 弱虫!!」




 色々言われた男はやっと足を止めた。




 ため息を吐くと、少女の方を向かずに言う。




「ここじゃ、迷惑がかかる。場所を変えるぞ」




 少女はしばらくポツンとしていたが、理解した途端元気よく。




「はい!」




 と、返事して男についていった。





 しばらく進んだあと、人気の少ない路地裏に入る。




 薄暗い路地はゴミが捨てられており、ネズミもいる。男は堂々としているが、少女は少し戸惑っていた。




 男は壁に寄っかかると、先に言う。




「一応言っておくが、俺も面倒ごとを持ってる。下手をすれば、お前も巻き込まれることになるぞ」




 男の顔は真剣であり、少女を心配していた。




 だが、それでも少女もこの男を頼るしかなかった。




「……大丈夫です」






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