第1話  【BLACK EDGE 其の1 盗賊】

 BLACK EDGE



 著者:pirafu doria

 作画:pirafu doria



 第1話

 【BLACK EDGE 其の1 盗賊】





 村を出て、少し離れたところにある森。そこに一人の男がいた。




 男の姿は赤いコートを着ていて、茶髪である。男は剣を持っており、村で売られている安物の剣だ。

 そんな剣を持って、森を歩く男の前にあるのが現れた。




 それは武器を持った男たちが三人。かなり良い体つきをしており、男たちはニヤニヤしながら男のことを見た。




「おい、兄ちゃん、身ぐるみ全て置いていけ」




 男たちはそんなことを言う。




 彼らは盗賊だ。村に馴染むことができず、犯罪に手を染めたものたち。

 彼らは村から離れて、仲間を集めて行動している。




 そして見かけた人間を襲い、金目の物や身ぐるみを奪う。




 脅して手に入らない時は、攻撃をして殺してでも奪い取る。




 彼ら盗賊は王国の警備兵に追われている。しかし、彼らも武器を持ち武装しているため、騎士でも簡単には対処できない。




 警備兵のいないところでは盗賊はかなり危険な存在であり、旅人は盗賊の住処を避けて通るようにしている。




 しかし、彼は盗賊が現れても逃げなかった。




 盗賊から逃げることはしない。それは盗賊は恐れる存在ではないからだ。




 赤いコートの男は盗賊を睨む。




「あぁ?」




 男に睨まれたことで盗賊たちは一瞬怯むが、盗賊も軽い気持ちで盗賊家業をやっているわけではない。




「だから身ぐるみを置いていけって言ってるんだよ」




 コートの男は剣を持っているとはいえ、一人だ。三人で脅せば流石に降参すると思っていた。

 だが、男は、




「やろうってのか…………じゃあ、かかってこいよ」




 喧嘩腰に指でこいこいとやる。




 だが、この強気な男を見て、盗賊たちは警戒する。




 もしかしたらどこかに誰か隠れているのではないか。それか三人相手でも勝てる自信があるのか。




 盗賊がびびって一歩退いた時、痺れを切らしたコートの男は、




「ッチ、来ないんならこっちから言ってやるよ」




 盗賊に襲いかかった。




 盗賊たちは武器を取り、男に対抗する形になる。しかし、男は剣を抜かず、拳を振り上げて突っ込んでくる。




 盗賊の一人が剣でコートの男に斬りかかるが、コートの男は盗賊の攻撃を簡単に避けた。




 そしてカウンターのパンチで攻撃する。




 続いてもう一人の盗賊がパンチの隙を狙って攻撃を仕掛けるが、コートの男は素早く方向転換し、攻撃を躱すとその男の顔を鷲掴みにする。




「おらよ!!」




 そして掴んだ盗賊をもう一人の盗賊に向かって投げ飛ばした。




「ぐあ!!」




 盗賊は衝突して倒れる。投げたれた方とぶつけられた方は気絶。




「く、くそ……な、何者だ……」




 最初に殴った盗賊はまだ意識があった。しかし、すぐに放っておいても気を失うだろう。




 コートの男はそんな盗賊を踏みつける。




「俺か。……俺はブラッドだ」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る