第2話  ライブに行きたい

ガチャリ。

閉めたドアの音が鳴ります。

ただいま、ご飯を食べ終わったところなんです。


「じゃあね!」

「ええ、また!」


私とお母様は手を振り合い、別れました。

ガチャリ。

今度は私の部屋のドアを閉める音が鳴ります。

部屋に帰ると、まずはスマホをもって、ベッドにゴロンと寝転がりました。

令嬢らしからぬ、だらしない姿ですが。


『こんにちはー!今日はきてくれてありがとう!そして、ようこそ!』

『ミントのライブへ!』


スマホで動画を販売するサイトに入ると、前に買ったミントのライブ映像を再生します。


「本当に、カッコいいです………!カイくん」


カイくんには、思わず見惚れてしまいます。

ああ、私も、ライブに行ってみたいです。

お母様は、許してくださるでしょうか。

お父様は?お爺さまは?お婆さまは?

許してくださるのでしょうか。

いえ、そもそもライブを見たいのならば、私専用のライブになるかもしれませんね、桜井家の階級的には。

ミントは相当人気なアイドルグループですが、それでも桜井家ですから。

それでは、早速頼みにいくとしましょう。

ミントに、早く会いたいのだから。

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