『イエローカースト』

石燕の筆(影絵草子)

第1話

海外の旅行中にいきなりご婦人に指をさされた。


ぎゃあという悲鳴を上げてご婦人は腰を抜かして逃げる。


やがて、それを見ていた人間たちも一様に逃げ出す。


なんだろうと思ってまわりを見るが別段変わったところはない。


すると赤いレーザーポインターのようなものが男の額にあてられた。


ピギュンという弾の走る音が聞こえ男はたちまちのうちに狙撃された。


建物の屋上で男を狙撃してきたヒットマンは通信機で任務完了と告げた。


日本の人口が世界的に多くなりすぎているので国家は日本人には極秘に単身の旅行者を消してしまうプロジェクトができていた。日本人以外の国内外にはそれが知らされていた。だがそれを日本人に知らせることは死を意味した。だから日本人には伝わることはない。


だが、すべての旅行者を消すわけにはいかない。ランダムに選ばれた旅行者がその対象になる。

飛行場で黄色いテレカを受け取った日本人が自動的にその旅行先の管理システムに通達される。


そしてまた、一人の旅行者に銃口が向けられ、赤いレーザーポインターが額にあたる。

旅行者のポケットには黄色いテレカがはみ出して見えている。

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『イエローカースト』 石燕の筆(影絵草子) @masingan

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