第26話 朝




「ん……」


まゆと暮らし始めてから6日目、そろそろ1週間が経過してまゆとの生活にも慣れ始めたかな…と思い始めた頃の朝、昨日の夜の記憶がない状態で僕は目を覚ます。


正確には、まゆと初めてのことをしていちゃいちゃしたことは覚えているのだが、いつ寝たのか記憶がない…寝落ちかな…


そう思いながら時間を確認するともうすぐお昼の時間だ。昨日いろいろあって疲れていたとはいえ寝すぎだ…


「まゆ、そろそろ起き……」


まゆを起こそうとお布団を退かすと…僕もまゆも下着し

か着ていない状態だった……


昨日の夜は深夜テンションとかいうもののせいかこの状態のまゆといろいろなことをできたのだが、寝起きの僕は慌ててまゆから眼を逸らす。


「ん……」


僕が慌てたからか、まゆも目を覚ましておはよ…と言いながら僕とまゆの状態を把握したらしい。まゆは一瞬で顔を真っ赤にして慌てて布団をかぶって姿を隠す。


「み、見た…?」

「ごめん…」


まゆはうぅ…と言いながら布団を深くかぶる。恥ずかしがるまゆを見て申し訳なさでいっぱいになる。


「りゅうちゃん…パジャマ着てちょっとだけリビング行ってて」

「う、うん…」


まゆに言われたとおりにすぐ側にあったパジャマを着て寝室を出てリビングに向かう。朝からまゆに恥ずかしい思いをさせてしまったことが申し訳なくて僕はリビングの床の上で正座していた。


「………」


しばらくしてパジャマを着たまゆがリビングに入ってきた。僕は真っ先にごめんなさい。と頭を下げて全力土下座する。


「あ、謝らないで…りゅうちゃんは悪くないから……ま、まゆが……眠い。って言ってあの状態で寝ちゃったのが悪いから……」


まゆにそう言われてなんとなく昨日の夜のことを思い出した。勢いでまゆと初めてのことをした後、ちゃんと寝よう。ということになったのだが、お布団の中でまゆが僕にちょっかい出してきてなんかノリでいちゃいちゃして気づいたらお互いパジャマ脱いでてしばらくしてまゆが疲れた。寝る。って言って寝てしまい僕も疲れてたからそのまま熟睡。そんな感じだった気がする。


「りゅうちゃんになら…見られてもいい。から…大丈夫……まゆが悪いから気にしないで……」


顔を真っ赤にしてそういうまゆがかわいすぎて脊髄反射でまゆを抱きしめてしまう。いつもならえへへ。と言って抱きしめ返してくれるまゆだけど、今日はひゃっ…とか言ってびっくりしていた。かわいい。


「まゆ、ごめんね」

「いいよ。まゆこそごめんね」


そう言ってまゆは僕を抱きしめ返してくれる。6日目の朝はその後しばらくお互い抱きしめあっていた。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る