第18話 幸せ夜ご飯






「ねー。りゅうちゃん…今日、まゆ寂しかったんだよ…」

「え、ごめん」


まゆと暮らし始めてから4日目、勤務先との打ち合わせから帰ってまゆが作ってくれていた夜ご飯のホワイトシチューをまゆと食べているとまゆが頬を膨らませながら僕に言う。


「わ、悪いと思ってるなら…甘やかしてぇ……」


か、かわいすぎる。上目遣い+甘え声+ウルウルした目のコンボ攻撃は強すぎた。さっきまでお仕事だから仕方ない。って言ってくれてたのに。とかどうでもよくなるくらいかわいい。甘やかしたい。


「ごめんね。寂しかったよね」


そう言ってまゆの頭を撫でる。まゆは嬉しそうに微笑んで僕の胸に頭を当ててもっとーと言ってくる。かわいすぎる。


「ねー、りゅうちゃん、まゆ、スプーン上手く使えなくなっちゃったぁ。だからぁ、食べさせてぇ」


めちゃくちゃ甘え始めた。しかも、恥ずかしそうに顔を赤くしながら言っているのがまたかわいい。


「え、えっと…うん。」


緊張しながらまゆにホワイトシチューを食べさせてあげるためにスプーンを持つが手がめちゃくちゃ震えている。僕の震える手を見てまゆがクスリと笑う。頑張ってスプーンを掴みスプーンをまゆの口元に運ぶ。


「いたっ…」


まゆの唇にスプーンを当ててしまった。申し訳ない。


「まゆ、ごめん」


まゆの口周りにホワイトシチューが飛び散っていたのでまゆの唇の周りを慌ててティッシュで拭き取る。


「下手くそ…痛かったじゃん」


まゆが揶揄うように僕に言う。めっちゃ手が震えてる状態で食べさせるの難しいんだからね。


「ごめんなさい…」

「まゆがお手本見せてあげる」


そう言ってまゆがスプーンを手に取りホワイトシチューをすくって僕の口の前に運ぶ。


「はい、あーんして」


あ、あーんして…と言われましても…まゆの手、めちゃくちゃ震えてて不安なんだけど……


「いたっ……」


案の定、まゆが持っていたスプーンは僕の顎に直撃した。さっきよりも大惨事である。まゆは慌ててティッシュで僕の顔についたホワイトシチューを拭き取ってくれる。


「まゆも下手くそだね」

「う、うるさいなぁ。これから上手くなるからいいもん」


そう言ってまゆは頬を膨らませる。りゅうちゃんもまゆと一緒に上手くなるんだよ!と言われた。


この日から夜ご飯の度に1回、まゆとあーん。する練習をお互いにし合うことになるとはこの時の僕は思ってなかった。夜ご飯の時間がますます幸せな時間になりました。





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