第17話 おかえり。





まゆと暮らし始めてから4日目、久しぶりに1人で歩いて隣にまゆがいない寂しさを感じながら電車に乗って、勤務先に向かいやることを終わらせた後、電車に乗ってアパートの最寄駅でまゆへのお土産にまゆが大好きなドーナツをいくつか購入する。


まゆが喜んでくれるといいなぁ。と思いながら早歩きでアパートに向かう。アパートに向かっているとまゆからLINEで夜ご飯作って待ってるね。と鍋で煮込まれているホワイトシチューの写真が送られてきた。めちゃくちゃ美味しそう。


まゆにあと少しで着くよ。と連絡を入れるとまゆからわかったーとすぐに返事が来た。


まゆから返事をもらってから歩くスピードを上げてアパートまで一直線に向かい、アパートの玄関の鍵を開けて部屋に入る。


「りゅうちゃん、おかえり!お疲れ様だよー」


玄関に入って早々、僕を出迎えてくれたまゆが僕に抱きついてきた。勤務先でめちゃくちゃ緊張していて、疲れていたが、まゆのおかげで疲れなんてどこかに行ってしまった。


「まゆ、ただいま。え、もしかしてここで待っててくれたの?」

「うん!早くりゅうちゃんに会いたかったから」


まゆが僕を待っていてくれた玄関は結構寒い。もう3月とはいえ、夕方の寒くなる時間に暖房がない玄関で僕を出迎えるためにまゆが待っていてくれたことがすごく嬉しかった。


「ありがとう。すごく嬉しいよ。でも、寒かったよね。大丈夫?」

「うん!大丈夫」


まゆの笑顔を見て癒されながらまゆを抱きしめ返してからまゆとリビングに向かう。リビングはやはり暖かい。


「あ、まゆ、これ、お土産。1人にしちゃってごめんね」

「ドーナツ!?!?やったー!!ありがとう!!!りゅうちゃん大好き!!!」


そう言ってぴょんぴょん跳ねながら嬉しそうにドーナツを受け取るまゆを見て買ってきてよかった。という気持ちになる。


「りゅうちゃん、さっきはごめんね。まゆ、困らせちゃったよね?」


さっき。とはきっとアパートを出て行く時にまゆも行く!と言って僕を離してくれなかったことだろう。


「気にしてないよ。1人でお留守番させちゃってごめんね」

「お仕事だから仕方ないよ。まゆがわがまま言って困らせちゃったのが悪いんだからりゅうちゃんは謝らないで」


たぶん、1人でいる時にいろいろ考えたのだろう。ちょっと落ち込んだ様子で困らせてごめんなさい。とまゆは僕に謝ってくれた。僕は本当に気にしていなかったので、まゆに大丈夫だよ。と言って頭を撫でてあげる。するとまゆはありがとう。と言いながらソファーに座る僕の肩に頭を乗せて甘えてくる。なでなでの要求だ。要求に応えてまゆの頭を撫でてあげるとめちゃくちゃ喜んでくれた。かわいい。





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