次なる刺客、黄色い細長軍団?

 ※若干タイトル変えました 


 ──チョコケーキやコラボメニュー以外にも、甘い罠がうすだを誘う?


 昔からの夢だったチョコケーキ食べ放題以外にも、原神コラボメニューの山幸の冷やし麺も食べることとなったうすだ。あくまでも目的が原神で来ているわけだし、コラボメニューを注文するのは当然のことだ。

 しかし、まだまだ本命以外の刺客がうすだを待ち構えていた。


「あのーすいません、コラボメニューが決まりました」

「はい、承ります」


 色々考えている中で先程案内してくれた店員は他の客との応対をちょうど終えており、うすだは度胸を見せて手を挙げながら声をかける。そりゃ店員の方から再度声を掛けてくださいと言われたし、ただ単にうすだは指示に従っただけなので何も悪くない。


「山幸の冷やし麺をお1つでドリンクはなしで大丈夫です、あとこちらもお願いします」


 普段レストランやファストフードで品物を注文するときは何の緊張もしないのに、これが1人スイパラの圧倒的重圧なのかでさえもうすだに襲いかかる。しかも、ららぽーとTOKYO-BAY店は1階に設置してることもあるためか、他店と比べても目立ちやすい位置付けだ。

 うすだ以外のスイパラの客はもちろんのことでもあるし、スイパラを通りすがる老若男女に対してもうすだは見られてる。この時のうすだの足は悲鳴をあげていたが、ここまで来たのだからもう怖くはない……怖くないぞといううすだの心の叫びがあった。

 いくらうすだの足が震えていても、店員はそのことを全く気にしていなかったのがせめての救いか。そんな状況の中、うすだはコラボメニュー表の返却とアンケート用紙をそれぞれ店員に提出した。


「かしこまりました、ではこれをお受け取りください」


 それと引き換えに店員からコラボ利用ご来店特典であるちびキャラブロマイドとペーパーランチョンマット、コラボメニュー&デザートメニューのご購入特典である等身キャラコースターの3点が渡された。原神グッズコレクターとしては貴重品とも言ってもいいものだ。

 ちびキャラブロマイドに関しては好きなキャラを1人自由に選ぶことができるため、うすだは迷わず胡桃を選んだ。ヒルチャールのお兄ちゃんが病気になった~♪

 一方の等身キャラコースターに関してはランダム封入であり、ここでも胡桃が来て欲しいと願ったが引いたのは辛炎しんえんでした。これに関しては胡桃や甘雨ら好きなキャラが来ればラッキー程度としか見ていなかったですし、いい機会なので辛炎も聖遺物厳選や天賦素材集めしたりとしっかり育成しています。


「当店は先払いとなっておりますので、こちらの自動販売機で食券をご購入ください」


 再び地獄の店内へと踏み入れたうすだだが、あまりの緊張感で店員の発言を聴きそびれるところだった。スイパラは先払い制であるため、自動販売機でコラボメニュー用の食券を買う必要があった。

 ただ、ここである1つのオプションメニューを発見し、何故かわからないがひたすらうすだは自動販売機を睨み付けた。


「へぇーフライドポテトもあるのか、しかも食べ放題とはちょうどいい」


 うすだに待ち構える次なる刺客、それは揚げたてフライドポテトの食べ放題であった。しかも、200円追加という非常に手頃な値段であったため迷わず注文する。

 そりゃ来店当時は某ファストフード店によるポテト販売自粛の真っ只中であったため、フライドポテトがとにかく食べたかったうすだにとっては非常に好都合だ。いつの間にか頭の中が浮かれてしまったうすだだが、またある1つの疑問が生まれる。


「でもさ、本命の大量チョコケーキや冷やし麺も食べるのにそんな余裕あるのか俺?」


 そう、チョコケーキなどのバイキングや山幸の冷やし麺も頼むというのに、必要以上に多く食べるということである。いくら空腹状態のうすだでも普段昼食だけでこんなに食べることは滅多にないし、店頭の張り紙でも『スタッフが食べきれない量と判断した場合は、ご注文をお断りさせていただく場合がございます。予めご了承いただけますようお願い申し上げます。』と掲載されている。

 色んな意味で欲望ばかりのものが揃って食べることとなったうすだ、戦の開始が刻々と迫る──

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る