第26話 納豆

 糸引き納豆の発祥地には諸説ありますが、注目はやはり、【秋田発祥説】です。


 源義家(頼朝の先祖)が、東北へ出征した後三年ごさんねんえき(1083-87)の折、煮豆をわらに入れて馬にくくりつけて運んでいたところ、馬の体温で発酵し、納豆が生まれたというものです。


 ワラ(納豆菌)+ 煮豆 + 馬の体温 ……このみっつの要素が偶然重なるという奇跡のマリアージュによって、納豆が生まれたとのことです。


 この説は、時期を後三年の役と特定してあること、みっつの要素の説明、しかも東北が納豆消費量が多いことを考えあわせますと、他説に比べ、かなりの説得力を感じます。



 筆者の『ふところ島のご隠居』には、百年前の奥州合戦の、鎌倉権五郎の活躍を描かせていただきましたが、まさにあの時の話です。


 権五郎が敵の矢を受け、頭蓋骨を貫かれながらも、敵を撃ち止めた場所が、『金沢かねさわの柵』という要害でした。


 現在ではそこは金沢公園(秋田県横手市)となっており、納豆発祥の碑が置かれております。


 説が真実ならば、坂東武者たちもその子孫たちも、戦勝にあやかって、好んで納豆を食べたのでは? と、想像が膨らみます。

 頼朝や、大庭景義も、たくさん納豆を食べていたかもしれません。



 まことに余談ながら、筆者も毎日納豆を食べていますが、お気に入りの食べ方は「蜂蜜+しょうゆ」味で、それを玄米ご飯にかけて食べています。「蜂蜜+しょうゆ」にすると、みたらしのタレ味になるのです。……甘辛味大好きな筆者です。


(納豆のおいしい食べ方ございましたら、ぜひコメントお寄せください。色々試してみたい筆者です)



 ところで、「後三年の役」のあった金沢公園の近くの駅が「後三年駅」という駅名で……笑


 ……自分は東北の人に会うたび、センスのいいギャグを言うおもしろい人たちだな、と思うことが多いのですが、この「後三年駅」という駅名も、かなり気に入っております。




 さて、次のブラタモリが、二週つづけて鎌倉です。

 (2024/2/3、2/10、土曜の19:30)

 今から楽しみにしております。

 みなさんもよかったら見てみてください。

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