第15話 身長1

 身長を表すのには、「尺」という単位がもちいられます。平安・鎌倉時代には、一尺はおよそ29.6cmですので、まあだいたい、30cmと憶えておけばよいでしょう。

(大宝律令の小尺 一尺=約29.6cm)


 今回は、筆者が記憶しているかぎりで、源平武者たちの身長を考えてみたいと思います。



☆源平時代、身長第一位は……(ドラム・ロール)……


「佐原十郎義連」


 三浦一族、三浦義明の十男。酔っ払った悪四郎をしかりつけ、悪四郎と上総八郎とのケンカを見事におさめ、頼朝の厚い信頼を得ました。


 その身長は、「七尺五寸」!


 機械的に計算すると、2m22cm!!



☆源平時代、身長第二位は……(ドラム・ロール)……


「河村三郎義秀」


 波多野一族で、治承の大戦では大庭景親の右腕として活躍しました。


 その身長は、「七尺二寸」!


 機械的に計算すると、2m13cm!!




☆源平時代、身長第三位は……(ドラム・ロール)……


「源八郎為朝」


 言わずと知れた、源平時代最強のつわもの。


 その身長は、「七尺」!


 機械的に計算すると、2m7cm!!



 考古学における、平安鎌倉の平均身長はおよそ160cm(=五尺四寸)ですので、彼らの身長は、驚くべき数字です。


1、佐原義連 七尺五寸(2m22cm)

2、河村義秀 七尺二寸(2m13cm)

3、源為朝  七尺(2m7cm)


 この数字を、そのまま信じても、ファンタジックで面白いのですが、もうすこしリアリティのある設定はどんなものか、と考えてみました。


・各家庭に、全国統一の、正確な物差しがあったわけではない

・六尺(180cm)以上は、だいたいのフィーリングで記述しているようだ


 この二点を考慮したうえで、いろいろな方法を考えてみましたが、

「6尺までは小尺で測り、6尺を越える部分は、半分の値で計算する」

 ……というのが、一番リアリティがあるかな~と思いました。


 つまり、七尺の場合、6尺+1尺ですから、6尺+0.5尺で計算するわけです。すると、七尺 = 192.4cmという値が得られます。


七尺五寸 佐原義連 199.8cm

七尺二寸 河村義秀 195.36cm

七尺   源為朝  192.4cm


……と、こういう値が出てきます。

 これを筆者の好きな、プロ野球で比較してみると、


藤浪 晋太郎投手  197cm

ダルビッシュ投手 195cm

大谷祥平投手   193cm


……となり、上で求めた源平武者三人の数値と、ほぼ重なってきます。


 あー、為朝は、大谷君くらいの身長だったのかな~とか、リアルな想像がふくらむわけです。

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