第48話

「るみか、お帰り」

「ただいま、キト」

目の前には玲が感情を押し殺したような表情をして立っていた。

「玲さん、全部見せてもらいました」

「そう、私だってダメって分かってたわ、

でも、お父さんを悲しませてしまう。」

「玲さんの人生です。

お父さんは関係ありませんよ」

「でも、今戻っても

もう取返しはつかない」

「そんなことないです、

まだ戻れます」

「本当に?」

「はい、玲さんの信じる道を選びましょう」

「ありがとう、あなたを現実に戻せると思うわ」

「本当ですか」

「ええ、このくらい簡単よ」

私の周りが白い靄に包まれ、

意識が遠のいた。

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