第18話

「ラスト、なんか、見るの怖いな」

でも、ここまで見たのなら、最後まで見なくては。

謎の使命感にかられ、絵を磨き始めた。

「あれ、全然綺麗にならない」

絵を磨くのが上手くなったと調子に乗っていた自分の頬をひっぱたいてやりたいほど

全く綺麗にならない。

「もう、少しっ」

ほんの少しだけ綺麗になった気がする。

「何をしているの、るみか」

人生で今が一番背筋がヒヤッとした。

今後もこんなに凍り付くような感覚はないと思う。

というか、あって欲しくない。

「部屋で勉強していると思ったらなんで、ここに居るの」

「えっと、息抜きに」

「そんな時間はない、分かっていないみたいね」

「はい、反省してます」

玲に屋敷へ連れ戻されてしまった。

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