短い中に詰まった恐さの魅力

非常に読み応えのあるホラーの短編集。
1つ1つが短く、またネタが繋がっていないためどこから読んでも楽しめ、隙間時間につい夢中に読んでしまった。
舞台は現代であったり、海外であったり、はたまた近未来であったりと様々で、さらにそこに宿る「恐怖」もヒトコワ系を初めとし、不思議系や妖精の関わる奇譚めいたものまで幅が広い。
個人的には、単純に幽霊やお化けの話に終始せず、そこに人の情念や未練などが絡み、ホラーとしての背景が成立してるところがとても良いなと思いました。

個人的なお気に入りを上げるならば、初見で心を掴まれた「小鳥箱」。ホラー好きなら、かの有名なコトリバコを連想するかもしれませんが、ここで語られるのは名前の通り「小鳥」の箱。美しい鳥の鳴き声に魅せられた、ある男の物語で、最後のオチに思わず唸ってしまいました。

今後も更新予定とのことなので、続きがとても楽しみな作品です。