執筆スランプ脱出体験記(一文長秀夫)

 いやっほっほ! やっと書けましたよ、新作ほんといつぶりだってかってねえ。8月くらいだったかな、たしか新作書きましてね。それ以来4ヶ月ぶりに新作ができたんですね。私はその間多忙とスランプに陥ってましてね。まあそこからなんとか抜け出したんですが、これを読んでる読者様の中にも小説を書いてるという方は多いでしょうから、一つ執筆の助けとなればと思ってスランプ脱出の模様をお届けしようと筆を取るわけです。


 で、さっきも申し上げました通りにですね、夏に新作を書いた後私は長編の設定作りに取り掛かりました。私はある程度の設定やプロットを組み立ててから執筆にとりかかるんですが、なかなか上手く組み立てられない。そしてそのまま気づけばカクヨムコンが近づいてしまいました。さすがに短編だけでも一作をと思うわけで今度はその設定作りに取り掛かるわけです。しかしこれも上手くはいきません。


 そんな中現実でやることが山積みになって、これ以上同時並行は無理だと。では現実の課題に集中しようとなったわけです。当然その間は執筆の「し」の字もないのですから、現実を終わらしていざ書こうとしても何も浮かばないのです。よくも自分は小説なんぞ書けていたなとと思うばかりであったわけです。


 私は過去の教訓を見返しました。教訓がすでにあるのかよと思われるかもしれませんが、こういう肝心なときこそ教訓通り動くのは難しいものなのです。ただ、その後のスケジュールから計算して自分の締め切りを定めることにしましたからやるしかありませんでした。後から思えばこれがスランプ脱出の始まりだったのかもしれません。


 とりあえずつまらない文章を連ねていきました。実につまらないお話でした。少しの展開はあるのですが、もう一つな話でした。しかし一つのお話を作ることはできたわけです。


 私はさらに、何かと何かを組み合わせるということをやってさらにもう一つ書くことにしました。その2つはどちらも今の自分の日常において身近なものでありました。だからでありましょうか。次々とアイデアが浮かんで来たのです。書けば書くほどその後の展開が次々に湧き出てくるのです! これです! 私が楽しくて仕方ない瞬間は! このためにやっているのです! その後は凄まじい勢いでした。たまたま空いた日曜日のほとんどを使って一気に作品ができ上がりました。しかもその日は自分の締め切りの日でもあったのです。


 さて、この体験を通して感じたことは継続して執筆し続けることの重要性です。英語を使わなければ英単語を忘れていくように、執筆しなければ小説の書き方を忘れていってしまうのです。場面一つでもいい、少しづつでも小説を書いていけばいいのです。今日は会話文を練習してみよう、今日は情景描写を練習してみようとやればいいのです。そうすれば執筆能力を維持あるいは向上できますし、思いがけない物語がそこから生み出されるかもしれません。

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