嫌な記憶をきれいさっぱり葬る方法(謎の情報商材屋W)

 あれだよ、なできごとが起こると記憶に鮮明に残るんだよな。もう次のことやらないとやらないとって思ってんだよ。思ってんだ・け・ど!思ってんだけどさ、なんか頭をよぎるわけ。もう何に例えたらいいんだろ、んあああれだ波だ。波って押しては返し押しては返しってやるだろ。もうそんな感じだよ。液体みたいに頭の中入ってくるんだよな。もうほんと鬱陶しい。入ってくるなよな。あれ何かしようとするときに限って入ってくるよな。ざっぱーんって。気づけばそのことについてなんか解説が始まるんだよ。『非常に腹が立ちますね。これは相手の思想がいかに自分本位で回りが見えていないかということです。こんなヤツは真っ先に戦場に送り込んで……』

 おっといけねえ、また考えてんな。これ以上はレーティングをつけないといけなくなるからな。用心しいしいだ。ほんとにぃ。


 でだ、でだ。このことなんだが。ああ、怪しいわけじゃないんだ。でもな、値につくぜえ。嫌な記憶をきれいさっぱり葬り去る方法、俺聞いちゃったんだよ。とある炎使いが言っていたことなんだけどよ。俺あんま信じてやってなかったんだ。なんかあいつエラそうだろう? まあ、いいや。で、やってみたんだ。そしたらさあ~


 スカッと波がなくなって、ぱあっと目の前のことに集中できたんだよ。嘘じゃない、噓じゃない本当なんだ。信じてくれよ。この仲だろ? え? 初対面? 俺の初対面は5分までって決まってるんだ。覚えときな。


 んまあ、まあちょっと耳貸せよ。


 いいか? 逆に記憶を思い出せ。そして何が起きたか、そのときどう思ったか書き出すんだ。いかに自分が嫌な思いをしたか。何で嫌になったか書き出せ。書き出しきれ。そして気が済んだらそれ以降は絶対に思い出そうとするな。思い出す暇がないくらい目の前のことをどんどんやれ。



 よし…………こんなもんだ。どうだ? やってみないか?

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