最終話
目が覚めたら、ゲージの中にいた。
「ごめんね。まだいろんな検査結果がわかっていないから、しばらくの間、きみは隔離するけれど、たとえどんな病気を持っていたとしても、あたしが責任持って育てるよ。もう、ひもじい思いはさせない」
女の、やわらなかな声が心に響いた。ああ、助かったんだ。
「大丈夫だよ。これからは、ずっと一緒。そしてお友達だよ」
女は一匹ずつぼくの目線にあわせて猫を紹介してくれた。
とりあえず、ぼくはまだ嫌われていないらしい。
気持ちを切り替えるのは難しいかもしれないけれど、この人となら、楽しくいられそうな気がした。
そうしてぼくは、憧れのゼリーを口にしたのだった。
それは、天にも昇る心地のおいしさで。
「すぐなじむから、大丈夫。これからもよろしくね」
ニャーとひと鳴きした。ありがとう。その思いを込めて。
おしまい
野良猫日記 春川晴人 @haru-to
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