疲れをとる方法

今日の僕は疲れている。

体育の授業でマラソンがあったからだ。

町の歯医者さん、白瀬先生の所へ行こう。


「先生、疲れをとる治療はないかな」


先生は、やれやれといった口調で僕に言う


「歯医者さんにそんな治療はできないよ。難しい注文だね」


はははと先生は笑っている。

僕がうなだれていると、先生は続ける。


「治療ではないけれど、疲れをとる方法は知っているよ。僕がよく行くお店でやってもらっている」


先生はまた、はははと笑いながら院長室に入って行った。


院長室から出てきた先生の手には、ロウソクと手錠が握られている。


「僕はする側ではないのだけれど、今日は特別だ」


かしゃりと音がなり、僕の両腕に手錠がかけられた。

先生が僕に乱暴なことをするはずがない!

僕が自分に言い聞かせていると、蝋燭に火がつく。


もうダメだ!


僕が思ったその時、先生の顔がゆがむ。

気がつくと先生の後ろには、白衣のお姉さんがむちを構えている。


「続けたまえ!悪くない!!」


白衣のお姉さんは力を込める。

先生は血まみれになりながら喜んでいる。


今日はハッピーエンドのようだ。

先生から何も教わらなかった。


〜好きにしてほしい〜

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