「し、しらねぇよ！お前も聞いてたよな！！俺はちゃんと“仕掛け解除”（ギミック・アウト）って言ってただろ！？」

「じゃあお前がギミックを発動させて沙羅が死んだのはどう説明すんだよ！！！お前魔法文噛んだんじゃねぇのか！？」

　そういえばさっきもコイツが“存在探索”（エネミー・サーチ）に反応がないって言った時も目の前にゴブリンがいたな・・・。

「噛んでねぇよ！！！た、多分ここはギミック解除とか探知系のスキルが効かないダンジョンなんだよ！！！それか俺のスキルの熟練度が足りてないか・・・」

「探知スキルが効かないダンジョン？そんなダンジョン聞いた事ねぇぞ！？」

「お、お前覚えてねぇのか？この前にあのぼっちプレイヤーと一緒にダンジョン攻略した時の最下層もそうだっただろ？」

「この間のダンジョンだと？」

「そ、そうだ！俺らは何回も挑戦してボス部屋に行けたのは数回だったけどあの野郎は運が良かったのか一回で行けてただろ？」

「ああ・・・あのチョロいダンジョンか確かにあそこでも探知スキルが効かないって騒いでてお前が役立たずだったあそこだろ？今回もそうだってのか？」

「あ、ああ！おそらくそうだと思うじゃなきゃ説明つかねぇだろ？」

「クソッ！！めんどくせぇダンジョンだな！！とりあえず先に進むぞ？またギミックに引っかかるなよ？」

「沙羅はどうするんだ？支援魔法がないと厳しくないか？」

「死んじまったもんはしょうがねぇだろ？俺らだけで行けるとこまで行くぞ」

「お前も探知スキルが使えないんだったら戦闘で役に立てよ？」

「あ、ああ！・・・！？待て！な、何か聞こえないか？」

「ああ？」

　俺は立ち止まり耳を澄ませると複数の足音のようなものが聞こえるさっきのゴブリンか？だったら補助魔法をかけておかないとワンパンされるかもしれねぇからな。

「おい真斗補助魔法をかけておけ！ゴブリンかもしれねぇ！」

「ハァ？ゴブリンごときなら補助魔法なんていらねぇだろ！MPを無駄にするのはまずくねぇか？お前たかだか暗くて探知スキルが効かないダンジョンにビビりすぎだって！！」

「うるせぇ！！！！ここのゴブリンは異常に強化されてるんだよ！！！黙って補助魔法かけろってってんだよ！！！」

「わ、分かったってそう怒んなよ・・・」

　真斗は俺が怒鳴ると少し怖がったように返事を返し慌てて補助魔法をかけ始めるグズが！！最初から俺の言う通りにしてればいいだよ！使えねぇ奴だな！とりあえず攻撃力と防御力を上げておくか・・・。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい