第23話 なんなら好きなだけ揉んでもいいのよ?
真っ白な肌。引き締まった体。綺麗なくびれ。形のいいお尻。
僕の目の前には二人の神秘的な裸体が。
プールで散々からかわれた後、バーベキューを楽しんだ僕たちは海にやってきていた。
「そ、それじゃあ塗りますよ……」
「いいわよ♡」
「うん♪」
二人は弾んだ声を出した。
僕は手に日焼け止めのクリームを取って生唾を飲んだ。
これから僕は二人に日焼け止めクリームを塗る。
つまり二人の体に生で触れるってことだ。
そう思っただけで心臓がバクバクだ。口から心臓が出そう。
まずは奈美さんの背中に。僕はゆっくりと手を伸ばして触れた。
「ひゃん♪ 気持ちいい♪」
「……」
無心になるんだ僕。
とにかく心を殺して僕は背中から足、足から肩へと全身を洩れなく塗っていった。
「ふふ、優しい手つきね♪」
満足してもらえたのか奈美さんは微笑んだ。
「誠司。わたしにも早く塗ってよ」
「は、はい……」
響子さんに急かされ、今度は響子さんの背中に触れた。
「たっぷり塗ってね♡」
奈美さんと同じように足を塗って、肩に塗った。
「ねぇ、誠司。前は塗ってくれないの?」
「なっ!? それは自分でやってください!」
さすがに前までは塗れない。
「あれ? 私を悶絶させるって言ったのはどの口かしら? 前も塗れないようじゃ、私のことを悶絶させるなんて夢のまた夢よ?」
響子さんはこちらを振り返ってニヤッと笑った。
またしてもからかわれる。
僕としてもそろそろ反撃に出たいところだった。
だから、僕は決意を決めた。
「分かりましたよ! 塗ればいいんでしょ!」
「上手く塗れるかしら?♡ 私は動かないからそのまま下に手を滑らせて塗ってね♡」
日焼け止めクリームを手に取って、ふぅと深呼吸をして気持ちを鎮めると、無心になって響子さんのお腹部分に手を滑らした。
変なところにはできるだけ触らないように、日焼け止めクリームを塗っていく。
「ちゃんとおっぱいも塗ってね?」
僕が避けていることに気が付いたらしく響子さんがからかうように言ってきた。
「さすがにそこは無理です」
「触りたくないの?」
「んっ!」
その一言は反則級だ。
心臓の音がヤバい。せっかく無心でやっていたのに、一気に意識を持っていかれた。
「触りたくないの?」という言葉が頭の中をぐるぐると回る。
「なんなら好きなだけ揉んでもいいのよ? 誠司は日焼け止めクリームを塗ってくれているだけなんだから。私は揉まれても気にしないわ」
響子さんのその言葉に僕が悶絶しそうになった。
心臓が苦しい。
「あら、からかいすぎたかしら」
「もぅ、姉さんやりすぎよ。私も前側塗ってもらいたかったのに」
僕は気が付けば倒れてしまっていた。
「あ、目が覚めた?」
奈美さんが心配そうな声でそう言った。
「あれ、僕……」
たしか二人に日焼け止めクリームを塗っていて……。
「この暑さにやられたのね。急に倒れからビックリしたわ」
「そうでしたか。すみません」
というか、僕は今どういう状況なのだろうか?
頭の下がやけに柔らかい気がするのは気のせいか?
それにこの目の前の水色の大きな山は……。
「気分はどう?」
「大丈夫、だと思います」
そう言って起き上がろうと下が、奈美さんに阻止された。
「ダメよ。もう少し寝てなさい」
「大丈夫ですって」
「万が一があるかもしれないじゃない。それにこれは罰なのよ」
「罰?」
「そうよ。私も誠司君に前側も日焼け止めクリームを塗ってもらいたかったのに」
そう言われて、倒れる前の記憶が蘇ってきた。
響子さんに強烈なことを言われて倒れたんだった。
「姉さんだけズルいわ」
奈美さんは不満そうに頬を膨らませる。
「だから、誠司君はもう少し私の膝の上で横になっていること。いいわね?」
やっぱりか。やっぱり僕は今奈美さんの膝の上に横になっていたのか。
ということは、この目の前の山は、おっ……。
「はぁ~私も塗ってもらいたかったな~。私だって誠司君にならおっぱいくらい揉ませるのに」
この姉妹は本当に……。
どうしてそんなことをさらっと言えるのだろうか。
「な、奈美さん」
「な~に?」
「な、なんでそんなことを、堂々と言えるんですか……?」
「そんなことって?」
「その、おっぱいを揉ませる……とか」
「そんなの決まってるじゃない。誠司君のことが好きだからよ♪ 好き人になら何されてもいいって思うのは普通じゃない?」
「そういうもんなんですか?」
「そういうもんなのよ♪ 揉みたい?」
奈美さんは僕のことをからかうように笑った。
「揉みませんから!」
「遠慮しなくていいのよ? ほらほら♪」
そう言いながら奈美さんはおっぱいを手で持ち上げて揺らした。
僕はその天国のような光景を見ていられなくて目を逸らした。
「そういうことをこんな人目のあるところでやらないでください。お二人はもっと自分を大事にするべきです」
「何か勘違いしてるみたいだけど、こんなこと私も姉さんも誠司君にしかしないからね? 誠司君のことが好きだから、誠司君に好きになってもらうために体張ってるだけだからね? そこだけは勘違いしないでね」
いつになく真剣な声で言った奈美さんは僕の顔を両手で挟むと無理やり視線を合わせた。
そのルビー色の瞳は僕のことだけをまっすぐに見つめていた。
☆☆☆
ちょっと攻めすぎ?(笑)
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