家電量販店のスマホケース売り場で関西の男子大学生がしそうな話
「どう?ええのあったか?」
「アッカン!ケースの種類多すぎやで!」
「最近は色んなメーカーが出してるからな」
「いっぱいあるくせにカラーバリエーション白か黒しかないのなんやねん。各メーカー24色くらい展開しろや!」
「いやクレパスちゃうんやから。それに黄土色とかあったらなんか嫌やろ」
「…おまえ育ち良かった?」
「なんやねん急に」
「クレヨンとか色鉛筆みたいなツッコミくると思たら『クレパスちゃうんやから』とか言い出すから」
「育ち関係ないわ。俺がよくクレパス使ってただけやろ」
「さよかー。あと黄土色はブラウンやろ。ブラウンならアリじゃね?」
「じゃあお前ブラウンのスマホケース買えよ」
「いや、買わんけど。俺基本透明のやつ買うし」
「今までの色のくだりなんやってん!もおええから、早よ決めてくれや」
「うーん、じゃあこのソフトケースでええわ。サンプルの揉み心地良かったし」
「スマホケースに揉み心地良さいらんやろ。そんな頻繁に外して揉むもんちゃうんやから」
「時々揉むて。あ、あとフィルムも買わなあかんな」
「すぐ隣にあるやん。…フィルムも種類多いなぁ」
「ガラスのやつとかあるで!すごいな。割れたら怖いやろこんなん」
「流石に落とした時破片飛び散るとかないやろ。防護シートなんやから」
「ホンマか?昔からオカンに『割れたガラス触ったら手ぇ切れるからアカンで!』って言われ続けてきたから、使うんに抵抗あるわぁ」
「さよか。じゃあフィルムのやつ買ったらええやん」
「でも新しい物にチャレンジする精神も大事やん?俺チャレンジング島出身やし」
「お前のことやから1ヶ月で逃亡したやろ」
「ブッブー。1週間でした!」
「オカンとチャレンジング島の仲間達に謝れお前は。通信教育の話はええから、早よ決めろや」
「じゃあこれにしよかな。このフィルムのやつ、揉み心地良さそうやし」
「せやな、じゃあそれ買ってこいよ」
「うーす」
「俺ゲームのとこおるわ」
「おっけー」
余談
「今日はスマホ買うの付き合ってくれてありがとな!おかげでええの買えたわー」
「お前が決めてる途中に『やっぱ俺、機械苦手やからラクチンフォンにしよかな』って言いだした時のやめとけ説得にかけた時間を、俺は忘れへん…」
「なんか知らんけど店員も買わす気マンマンやったからついー」
「あの店員もヤバかった。あいつの顔も忘れへん。そもそも酔って帰ってる時に自販機で缶コーヒー買って、缶と間違えてスマホをゴミ箱にぶち込むお前もヤバいけど」
「朝起きた時、缶の飲むところに充電ケーブル入ってるの見て小首かしげたのは言うまでもない」
「聞いた時腹よじれるくらい笑ったけどな」
「帰り道の自販機のゴミ箱全部調べたけど、運悪く全部回収されてて泣いたわ!」
「次からはバネ付きのストラップ付けとけよ。小学生の財布についてるアレな」
「せやな!じゃあ今から百均に買いに行くで!」
「…すまん、言っといてあれやけど、そんなん付けてるクソダサい奴の友達嫌やから。せめてカラビナみたいなんにしてくれ」
「しゃあなしやで!ほないこか」
「ん」
おわり
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