2人居た当時の記憶

第20話 2人の花嫁(編集)

上代は俺達を見ながらビクビクしつつも。

それなりに打ち解けた様に笑みを浮かべてくれた。

俺達はその姿を見ながら会話し合う。

結構良いカフェだと思う場所。

その場所に来てから。


「上代先輩は何故、今日は外に出ようと思ったのですか」


「特別な日だと思った。.....その。.....えっと。.....うん」


「会えると思ったんだよね。東に」


「そう、です」


「え?俺?何故?」


上代は俺をチラチラ見てくる。

それから静かに俯いた。

俺と杉山達は?を浮かべたりして見合う。

そして上代を見ていたのだが。

上代は口をモゴモゴさせていたがやがて口を開いた。


「その。色々あって。その会いたかったです」


「そ、そうか」


「えー。それって長野くんが好きって事?上代さん」


「え?あ、ち、違う.....」


「怪しいなぁ。うふふ」


俺は杉山の脳天にチョップを食らわせた。

変な感じをさせるな、と言いながら。

杉山は、冗談だってばよ、と言いながら涙目になる。

そんな姿を見ながら俺は苦笑した。

それから話を聞く体勢で上代を見る。


「わた、しは。今日は長野東くんと凛花ちゃんと杉山さん。貴方達にお話があって、来ました」


「え?お話?何の話?」


(私達にですか)


「.....?」


上代は静かに頷く。

それから上げれない感じの顔を頑張って上げた。

そして真剣な眼差しで俺達を見てくる。

俺達は?を浮かべながら見ていると.....こんな言葉を口にした。


「私はえっと。.....貴方がたと、一緒に居ました。同じ幼稚園だったんです」


「え!?」


「でも病気で弱かったから。その。だからあまり詳しくは知らないですが.....朝日のその。恋の悩みを聞いてから重要な事を知っている私がはっきりしようと思って.....」


「一体.....何を知っているの?」


「私は凛花ちゃんと杉山さんと長野さんが一緒の幼稚園だって事を知っています。それはとても重要」


「じゃあ凛花の言っている事はやはり事実なのか?」


そういう事。です。ね、と言いながら杉山と俺と凛花を見てくる上代。

俺はかなりの衝撃を受けながら、お前が居る記憶が無いのはあまり来てないせいか、と上代にそのまま尋ねる。

すると上代はゆっくり頷いた。

でも優しかった長野くん、貴方はよく覚えています。

それは.....恋とか。じゃなくて.....その。優しいのが好きでした、と上代はそのまま笑みを浮かべる。


「そうだったんだな」


「だから記憶が正しければ貴方は2人を大切に思っていました。.....昔の事ですが」


「.....」


その中で朝日は悲しげな顔をしている。

俺はその姿を見ながら杉山と凛花を見る。

2人は真っ赤に赤面していた。

それから汗を流している。

恥ずかしくなったのだろう。


「じゃあ私と」


(杉山先輩は同じ様に好いていたんですね)


「.....そう.....いう事になるかなって感じで.....す」


信じられない。

俺は赤くなりながら冷めた料理を見る。

当時から俺の事を好いていたのか?

杉山が?凛花が?

マジなのか.....。


「で、でも」


「?」


「わ、私はこの恋のバトルに勝って欲しいのは朝日、だから。恋の応援は出来ないです、よ」


「な、奈々.....」


「うん。大丈夫だよ」


その様に話したのは杉山だった。

俺達は驚きながら杉山を見る。

そして笑顔を浮かべてウインクして指でOKサインを出す。

そこまで分かったら私達で後はするしね、と言いながら。

俺は、!、と浮かべながら杉山を見る。


「私達がかなり恋では有利って事が分かったんだから。これ以上の幸せはないよ。アハハ」


(ですね。杉山先輩)


「私は長野くんが好きだから」


(私もです)


「.....私も好きだから」


お前ら。

こんな場所でそれを言うと背後の人達がクスクスと笑っているし.....勘弁してくれ。

朝日と凛花と杉山は顔を見合わせながら笑いながら俺を見てくる。


これから先は恋愛誘惑合戦だね、と言いながら。

俺は真っ赤に赤面する。

そうしていると今度は七色さんが切り出した。


「私は凛花ちゃんを応援します」


「七色ちゃん」


「だって凛花には幸せになってほしいですから」


「有難う。七色ちゃん」


じゃあ、わた.....私は朝日ちゃんを、と言いながら朝日を見る上代。

でもそうなるとどうなるんだ?

杉山には誰も付き人が居ないし、と思ったのだが。

そんな杉山は俺を見てニヤッとする。


「私にも仲間が居るよ?幼馴染なんだけど。アハハ。その娘を呼ぼうかな」


「マジで?お前に幼馴染?男か?」


「いやいや女の子だよ。幼馴染の女の子。.....その子なら私を応援してくれるかなって思って。アハハ」


「そうなのか」


「編集動画も.....」


「それ以上は言うな」


俺は真っ赤に赤面しながら杉山の口を塞ぐ。

それから、ったく、と思いながら杉山を見る。

この野郎は。

杉山は俺の手にテヘッとして、失礼、と言いながらファミレスから出て行った。


電話をしている様だが。

俺はその姿を見ながら上代を見る。

そして聞いてみた。


「上代。お前は病気が治ったら何がしたいんだ?」


「.....わ、私ですか。.....私は.....」


そうですね。な。治ったら朝日とバスケがしたいです、と言った。

俺はその言葉に見開きながらだったが。

でも、そうか、と柔和に返事をしつつ見る。

するとみんなが、きっと治るよ、と言いながら上代を見る。

そして笑顔を見せた。


「.....あり、有難う御座います。みなさん.....」


「俺も応援しているから。頑張ろうな。折角の縁だし」


「昔から変わら、ない優しさです、長野くん」


「そうだな。みんなのお陰で何とか変わってないんだと思うけどな」


「.....」


上代は、そうな。んですね、と穏やかな笑みを浮かべた。

その姿を見ながら俺も笑みを浮かべる。

それから、飯食うか、と言いながら目の前に並べられた食事を見る。

間食のつもりで注文したが。


みんなも頷きながらワイワイとそのまま手に取り始めた。

俺も少しだけホッとしながら.....。

そのまま飯を食い始めた。

美味いな.....やはりサイゼだ。

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