第4話 夕雫の日常生活

『今週はとても楽しかった!いつもは一人でただ興味がある本を読んでいくだけの日々だった。

そこに彼が、令央が、来てくれただけでこんなにも変わるんだっていうくらい毎日が楽しくなった。


最初会ったときは、『かっこいいなー』って思ってたんだけど、話したらすごくおもしろかった!

世の中には彼のようないい人もいたのか!!ほぼ初めて知った....

彼に会うまでは、私にとって信用出来て、楽しい人は幼馴染の碧唯あおいだけだったから。

彼に会えてほんとにうれしかった!

だから、来てほしくて最後に言ったんだけど…。

ほんとに来てくれるなんて思ってもなかった!ほんとにうれしかったよー。


彼は、自分では絶対に認めないけど、かっこいいし、優しいから、友達が多かったり、人気者であってもいいと思うんだけどなぁ。

二日目なんか、私がおすすめした本のおかげで学校のテストが上手くいったからって、私が好きなお菓子持ってきてくれたし!

どんだけいい人なの⁉ 来週も会えるといいなぁ…』


今週の分を書き終え、手帳が置いてある机から顔を上げる。ここは私の家だ。いつもは図書館で書いたりすることもあるんだけど、最近は令央が来てくれるから、家の自分の部屋の中で“これ”を書いている。何を書いているかというと、日記だ。私が思ったことを日に日に書き留めていくのだ。

このことを知っているのは私と、両親だけだ。そのほかの人はこの日記のことは知らない。

今日の分を書き上げ、寝る。


来週も来てほしいよー、と思いながら、意識が落ちていった。


ー翌日ー

起きて、着替えて、朝食をとる。両親はどちらも仕事のため家を空ける。昼ご飯を食べ終わり図書館に行くまでは一人だ。なので親の代わりに家事をこなす。半年ほどやっているので今やお手の物だ。ここまではいつものルーティン。そこから前は気になっている本を借りては読んでいた。


しかし、先週からは令央が来て、私がおすすめした本を借りては読んでいる。そして毎日のごとく借りては返すを繰り返しているのだ。そして、感想を教えてくれる。

そして私はその感想をもとに、次にお勧めする本を決める。しかし、彼とは本の好みも感想もだいたい同じなのでいつも喜んでくれる。そのことがすごく嬉しかった。


彼にもっと喜んでほしいと思い、こっそり彼の心を読んだりした。あまりこの力は使いたくないのだが、これで彼が喜んでくれるのならと思って、じゃんじゃん使ってしまう。


そういえば今日はなにをお勧めするのか決めてなかった。今のうちに決めておこう。


本は決まったけど、あらすじ忘れたから、早く行って、読んで思い出しておこう。

それじゃあ、早めの昼ご飯だ。


さて、片付けもしたし、行こうかな。


人と会うのがこんなにも楽しいなんて思わなかったよ。

神様ありがとう、彼に会わせてくれて…


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