7.おわりに

 と、そんな感じで新機能「サポーターズパスポート」についてでした。最後になんでこんな記事を書いたのかについてちょこっとだけ触れておきます。


 既に何度か取り上げている自著「LINEノベル」ですが、その中で自分は「LINEノベル」という話題になったものに対して「革新的とまでは言えない」というような評価を下しています。


 その結果がどうなったかは、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、LINEノベルは現在サービスを終了しています、数年しか持たなかった格好です。


 それ以外でも「違法利用との接し方-「漫画村」騒動から得るべき事とは-」では「海賊版サイトとの争いは勝者のないいたちごっこである」という持論を展開し、不正利用そのものに対して「撲滅は不可能」としてその論を閉じています。


 そして、こちらの結果も概ね持論通りの展開を迎えています。昨年「漫画村」よりもはるかPVを稼ぐ「漫画BANG」が登場し、訴訟の準備と共に消えていきました。


 消えたから良い、と考えるかもしれませんが、自分は「訴訟ではどうにもならない未来」がすぐそこに来ていると考えています。


 話を戻しましょう。この「サポーターズパスポート」についても、「集金システム」に成り下がる可能性が十分にあると思います。


 このあたりは舵取り次第なので、いくらでも可能性はありますが、先行して行われているロイヤリティを見つめているとそちらの可能性の方が高いだろう、と見ています。


 それだけではありません。もしこの新機能が「既存の格差を強化する」ことをしてしまった場合、投稿サイトの未来はかなり怪しいものとなると思っております。


実際に、カクヨムコンで読者選考を通過できなかった作品が、スニーカーの大賞を受賞する、という事態が起きています。


 利益を上げることは大事ですが、目先だけの利を追いかけて、サイトそのものを沈没させることがないとは言い切れない、と自分は考えています。


 そう言った未来は回避しなければならない。ならば警告をしておくべきだろう。そう考え自分はこの記事を書きました。


 過去の事例を出したのはあくまで説得力を出すためですが、いずれも自分の見立てよりも大分「悪い事態」が訪れています。今回の新機能や投稿サイトが、同じ未来を辿ってほしくないと考えています。


 投稿サイトを運営していく意味は何であるのか。その基本を見つめ直した上で、「サポーターズパスポート」が革新的な機能となって、文字通り作家への「ギフト」になることを願ってやみません。



【関連記事】

・「違法利用との接し方-「漫画村」騒動から得るべき事とは-」(URL: https://kakuyomu.jp/works/1177354054885206351

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新機能・サポーターズパスポートの解説と、個人的見解 蒼風 @soufu3414

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