東南アジア旅行記80日間 香港からシンガポールまで陸路で!

@sakosato

第1話 香港・マカオ

 香港。ずっと憧れていた都市だった。道祖神の招きにあった者のバイブル・沢木耕太郎さんの『深夜特急』での出発地点、香港。


 沢木さんの描く香港は、私たちを引き込む。九龍地区と香港島を結ぶスターフェリー、廟街などの記述は、私たちを魅了した。


 その香港を私は旅のスタート地点に選んだ。香港からシンガポールまで!


 空港から繁華街チムシャッツォイまでバスで行き、そこでホテルを探す。重慶マンションは安宿で有名。だが、私はミレドマンションに宿を取った。200香港ドル(3000円くらい)。夜は外国人が大声で話をしてうるさい。大都市香港の安宿。いたしかたない。


 香港はしかし、私を興奮させてくれなかった。期待しすぎていたのかもしれない。沢木耕太郎さんの感じた香港とは違う。そればかり感じていた。


 インターネットの情報でも、香港はつまらないというものがあった。そんなことはないだろうと思っていた。しかし・・・。


 一人旅である。100万ドル(香港ドル?)の夜景を見に行ったときは、少し寂しかった。さすがに有名な観光地。日本人旅行者が多かった。それがまた、私を寂しくさせた。旅をはじめていきなりヘコみ気味。


 私はマカオに行った。マカオの歴史地区が世界遺産であることを、マカオで知った。世界遺産マカオというポスターがあるのだ。私は疑った。マカオが世界遺産なんて聞いたこともない。中国がテキトーに宣伝しているのだろう。


 しかし、そのポスターは本当だった。

 マカオ。ここも沢木耕太郎さんがハマったところだ。


 カジノだ。

 しかし、私はギャンブルをやらない。でもカジノには足を運んだ。ホテルでありカジノであるリスボアホテル。はじめて行ったカジノは、見物するだけでも面白かった。

 すごいと思ったのは、5000香港ドル(7万5000円)を『大』に賭け、みごと倍にした男性を見たときだった。ラスベガスとは比べものにならないのだろうが、7万5000円を一勝負に賭けることは、私には難しい。


 マカオは楽しかった。街の中心のセナド広場にはなぜか縁があり、何度も通りかかった。


 勝手にミスターセナドと呼び、それを口にするたび、苦笑していた。なぜミスター? 詳しくは知らないが、広場はむしろ女性名詞な気すらする。


 マカオはビールが安かった。350ccの缶ビールが3香港ドル。45円。暑い中、観光をした。汗を流し、水分をビールで補給する。


 ビール。マカオから香港に帰り、広州に入った。広州のビールはマカオより安かった。珠江ビールは大瓶で3.5元。50円強。瓶ビールの値段で言えば、東南アジアでは中国が一番安かったかもしれない。

 ベトナムでも50セントほどで瓶ビールが出てきたが、それは中瓶だった気がする。タイはビールの大瓶100円弱。やはり中国か。中国でも大衆的な商店で買わないとだめである。高級レストランの青島ビールは20元もするのだ。青島ビール、商店で買えば3元か、4元なのに。

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