第4話 感染3日目

 起床時から、体熱感が強い。抗原検査で陽性になるかも、と思いながら出勤。毎日行なっている出勤時の体温測定も37.5度と高い。この日は、入院患者さんの定期処方日なので、前日と同様に感染拡大に配慮しながら朝の回診、カルテ記載、定期処方や退院予定者の退院処方を行い、前日残っていた書類も作成した。


 朝回診終了後、早めに出勤されていた医局長に指示を仰ぎ、午前の診察開始前に抗原検査を行うよう指示を受けた。COVID-19抗原検査を行うが、この日は陰性だった。なのでこの日は通常業務を行なうこととなった。とはいえ、行うべき仕事は朝の回診時にほぼすべて済ませており、午前中は一度、各病棟のDr.ボード(病棟から、各医師に指示の依頼、処方依頼などが出されている)を確認するためにNs.ステーションに顔を出した以外は医局で過ごした。昼食は検食の担当日なので、栄養課で検食を行う。黙食を守り、自分の周囲には人がいないことを確認しながら検食を行なった。まずまずおいしい。


 午後からは急患待機の担当であった。15時ころ、上気道症状で60代男性、かかりつけ患者さんの時間外診察の依頼あり。診察前にCOVID-19抗原検査を行うよう外来看護師さんにお願いし、患者さんの来院を待つ。体熱感は強くなり、咽頭不快感→咽頭痛となってきた。時間外の診察希望の方は、診察前の検査でCOVID-19(+)であり、COVID-19と診断。発生届を作成し、患者さんに結果説明。保健所の指示に従ってもらうよう伝え、帰宅とした。


 この日は週に1回の医局会がある。今回は月に1回のdeath conference。高齢の方で、複数の疾患を抱えて人生の終末期をこの病院で過ごす方が多く、discussionというよりも、報告会、という感じになってしまう。


 この日は当直医が来るまでの居残り担当のため、18時まで在院しなければならなかった。熱感は強くなっており、医局で何をしているわけではないが、結構しんどい。18時前に当直医が来られ、病棟の状況を報告し、帰宅した。


自宅では速やかに自室に隔離。体温は38.6度となっていた。翌日は午前診の担当日、お風呂に入って、無精ひげをそり、水分を取って就寝した。


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